「義理チョコ」は死語になってしまうのか…それでも35円「ブラックサンダー」が売れ続ける理由

国内 社会

  • ブックマーク

職場でのプレゼントは必要ない?

 今日はバレンタインデー。「本命チョコ」に始まり「友チョコ」「自分チョコ」など、プレゼントにも色々なスタイルがあるが、もう「義理チョコ」は死語になってしまうのか…。

 日本生命が1月、契約者を対象にバレンタインデーについてのアンケートを行った。20代から70代の男女、約1万9000人から得られた回答では、バレンタインデーに「プレゼントを渡す予定」と答えた人は全体で37.6%(昨年比3.1%増)。渡す相手は「配偶者・パートナー」が66.2%と、こちらも昨年より2.1%増えた。同じく上昇傾向にあるのは「自分自身」へ贈る人で、13.2%(同1%増)となった。

 気になるのは、渡す相手が「職場の人(上司、同僚、部下)」。これは14.1%で、一昨年の17.3%、昨年の14.7%と年々、低下傾向にある。また、職場や仕事関係者へのプレゼントについては72.1%が、「(どちらかといえば)必要でない」と回答した。ニッセイ基礎研究所の久我尚子上席研究員は、こう分析している。

「コロナ禍を経てテレワークを併用した働き方が浸透する中で、義理チョコ文化がますます衰退し、(配偶者やパートナーに渡す)本命チョコや(自分自身への)ご褒美チョコを優先する傾向が強まっている」

 たとえ義理でも、バレンタインデーにチョコをもらえるのは嬉しかったんだけど……というオジサンの嘆きも聞こえてきそうだが、かつて堂々と「義理チョコとして買って」と謳っていたチョコレート菓子が、今年で30周年を迎える「ブラックサンダー」である。コンビニやスーパーの菓子売り場でよく見かける、おなじみのチョコバーだ。一つ35円(税抜き)ながら、義理チョコ文化の行方に関係なく、2018年にはシリーズで年2億本を販売し、今も順調に人気を維持している。

 見た目の黒と、原材料のココアクッキーから連想する「ブラック」に、子どもが好きな戦隊ヒーローを連想させる「サンダー」を加えた商品が誕生したのは1994年。製造元の有楽製菓によると、発売後1年で売れ行き不振のため、販売中止が決定してしまう。しかし、なぜか九州地区では人気があり、担当営業マンが復活を直訴。包装材が残っている分だけと、96年にエリア限定での販売が決まり、口コミでの評判が広まって、生産が継続することになったという。

次ページ:あの選手が「勝負食」として紹介

前へ 1 2 3 次へ

[1/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。