冬は“メタボ”と“老化”のリスクが急増――美しすぎる「漢方薬剤師」が指南する「太る食べ物」と「老いる食べ方」
飲みに出かける前や食事のはじめに
他には、
「梅干しもいいですね。梅干しは胃酸の分泌を促すので、胃の疲れを抑えてくれる。ミネラルを補う役割もある。さらに、梅干しを加熱すると、バニリンという脂肪燃焼に役立つ成分が増えます」
とはいえもちろん、山芋や梅干しばかりをずっと食べ続けるわけにはいかない。温かい鍋やラーメンといった、冬に美味しい食べ物はどうしても食べたくなるというもの。宴会の席上で、酒が入ればなおさらだ。
「“鍋の締めまで食べるな、ラーメンをやめろ”、“お酒も、脂質多めのおつまみもやめろ”とは言いません。食べたいものを我慢することによるストレスを抱えると、やがて爆発し、さらなる暴飲暴食につながるだけですから。なので、食べてもいいけど、その前に、梅干しや山芋といった、身体を守る食べ物を摂取したり、朝日を浴びたり、睡眠時間を十分に確保したり、なるべく移動は歩くようにするなど運動を取り入れるなどの簡単な習慣を身につけてみませんか、と。また、アルコールから内臓を守る意味では、くるみやアーモンドといった、ナッツ類もおすすめです。ナッツに含まれるポリフェノールが肝臓の活性酸素を除去し、アルコールによるダメージが軽減するんです。食物繊維も含むため、血糖値の急上昇も抑えてくれるので、飲みに出かける前や食事のはじめのメニューとして取り入れることで、体内にバリアが形成されるイメージです」
血糖値を上げやすい飲み物
一方、一般的に冬に摂取すると身体に良いというイメージが先行している、二つの代表的な食べ物について聞いてみよう。まずは、生姜。摂取すると体を温かくし、冷えを抑えてくれるという印象が強いが、
「確かに、“体を温める”と言われていますが、実は生の生姜は、体を温める作用はありません。温めた生姜が持つ作用なんです。なので、お鍋やみそ汁に入ったショウガは体を温めます。生のショウガには殺菌作用があり風邪対策にはなりますね」
続いては、冬の神社などで振る舞われる甘酒。初詣先の神社などで振る舞われることもあり、“冬の飲み物”というイメージが先行しているが、実際はどうなのだろうか。
「冬に甘酒飲む人、少なくないと思いますが、私は甘酒をごくごく飲むというのは、あまりおすすめしていません。というのも、甘酒は、1杯当たりの糖質量として20g程度含まれています。また、血糖値を上げやすい飲み物でもあります。そのため、水分補給や栄養補給を目的として、日ごろの食事やおやつに加えて摂取するとうイメージよりも、風邪を引いた時やマラソンなど体を元気にするための点滴といったイメージで活用することがおすすめです」
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