阪神・梅野隆太郎(32)、坂本誠志郎との「正捕手争い」に敗れても“安泰”のナゼ FA市場で“引く手あまた”、移籍先の最有力球団とは?

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岡田監督の理想は正捕手・坂本?

 昨季、両捕手が先発マスクをかぶった時の防御率を比較すると、梅野の3.21に対し、坂本は2.04と実に1点以上も上回った。さらに元監督が岡田監督の本音も読み解く。

「シーズンの143試合を捕手一人で乗り切るのは今の野球では至難の業。ですが、日本シリーズで坂本一人が投手陣の状態を把握し続けたことで、好リードしたという成功体験を踏まえれば、岡田さんも理想は正捕手・坂本と考えているのかもしれません」

 昨季までの開幕先発マスクは6年連続で梅野だった。坂本の出番は村上頌樹、大竹耕太郎という昨季初めてローテーションに入ってきた両投手の登板時と限定的だった。しかし、チームを勝利に導くことで周囲の信頼を勝ち取っていった。

「捕手(の価値)はチームに勝ちをもたらすことが一番です。坂本は課題だった打撃でも去年、大きく成長しています。攻守で個人の能力に明確な優劣がつけられなければ、監督はチームを勝たせる能力を優先して起用したくなるものです」

 前出の元監督はこう語った上で、シーズンが進むにつれ、梅野は坂本に休養を取らせたり、試合終盤に坂本に代打を出したりした時の控え要員になるのではないかとも見込んでいる。梅野は阪神での自身の地位確保という意味で、まさに正念場を迎えていると言える。

ソフトバンクなら甲斐の後釜

 しかし、「阪神は正捕手が2人いる」と言われるほど紙一重の力を持つ両選手だけに、仮に梅野がレギュラー争いに敗れたとしても、環境を変えれば十分に正捕手を張れる。冒頭の在京球団編成担当は、梅野がFA宣言した際の移籍先の最有力候補にソフトバンクを挙げる。

「ソフトバンクでは(今オフに国内FA権を取得する)甲斐(拓也捕手)が、球団が提示した複数年契約を断って今季、単年契約にしています。甲斐には外様や外国人選手に高年俸を支払い、生え抜きを特別視しない球団への不信感もあるようで、移籍の選択肢を排除していないようです。甲斐が移籍となればソフトバンクは正捕手の獲得は急務となるため、既に代役の調査を進めていると聞きます。すぐに穴を埋められる実績を持ち、プロ入りまで福岡で過ごした地元出身選手の梅野は最適と言えます」

 NPB全体の今オフのFA市場を見越すと、捕手が豊作で、甲斐のほかには巨人の大城卓三捕手、中日の木下拓哉捕手らにも権利行使の可能性が囁かれている。捕手は育成に最も時間がかかるポジションとあって巨人、中日が正捕手流出の危機に直面した際は、梅野に触手が伸びるかもしれないという。

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