妻の不倫相手が臆面もなく現れた… 対峙した47歳夫が「自分も同じ穴の狢になった」と感じた瞬間
妻の返事は…
妻は目を見開いて彼を見ていたが、「忍がヘンなことを言ったんでしょう」と苦笑した。言っておくけど、浮気者は妹のほうだから。20代前半でつきあっていた彼を妹に奪われたことだってあるんだから。私は前から、妹があなたを狙っていると思っていた。落ちたでしょ、わかるわよ。妻は吐き捨てるようにそう言った。
「いや、きみこそ男がいるんだろと言ったら、『いたらどうする？』と返されて。でも妻には悪びれた様子もないんですよ。結局、僕は義妹との関係を徹底的に否定したけど、妻はふんわりと浮気を認めたような……。『私は絶対に家庭を壊さない。あなたも壊さない自信があるなら、好きなように生きてもいいと思う』と言いだした。それって自分が浮気していると認めたも同然ですよね」
幸司さんは浮気を公認するような妻の発言にも傷ついた。結婚したからには、やはり相手を裏切ってはいけないという思いが強かったのだ。だから自身が義妹と関係をもったことに大きな罪悪感を抱いていた。それなのに妻は、家庭を壊さなければいいのではないかと提言しているのだ。結婚を舐めている。彼はそう思ったという。ふたりともに浮気をしていたとするなら、妻を責められないのだが、そこが人間の不思議なところ。自分のことは棚に上げて相手を責めるのはよくあることだ。
「忍ちゃんとのこと、私は見抜いているけどねという感じの妻の言動に、少しムカッとしたんですが、今思えば同じ穴の狢。でも妻は『最後はお互いしかいないのよ』とニコッと笑っていました」
[2/5ページ]
