「内面の美」とは一体何か? 不倫モデルのグランプリで露呈した「ミス日本」コンテストの限界とは

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不透明な審査基準で露呈した「ミス日本」の限界 椎野さんの「本来の良さ」が発揮される場はミス日本ではなく〇〇ジャパン!?

 ミス日本のファイナリストは4カ月かけて勉強会に参加し、「内面の美」「外見の美」「行動の美」のテーマについて学ぶそうだ(LEON.JP 2022年4月18日配信記事)。

 おそらくその場での態度やアウトプットもある程度審査に反映するのだろうが、そんなことはミスコンに出場するような百戦錬磨の美女たちにとっては想定内だろう。ボロを出すわけもない。それとも「外見が優れた女性は、性格も優れているからうそをつくはずもない」という前提だとしたら、あまりにお気楽すぎる。それこそルッキズムであり、「内面の美」を審査することの限界を示したのではないだろうか。

「ルックスだけで選びました」と言えばよほどシンプルなのに、不透明な基準を掲げたがために、結局建前だけの大会という印象を与えてしまった「ミス日本」。むしろ今回の経緯は、後ろ暗いことがあっても外見の良さでねじ伏せられるという、否定したはずのルッキズムそのものが露呈したように思われる。

 審査中も不貞を続けていた椎野さんに、「ミス日本」の審査員たちが見いだした「内面の美」とは、一体何だったのか。椎野さんは当初、潔白を主張していたが、不倫相手のSNSで内情が暴露され炎上。火種となった「週刊文春」の直撃取材もあり、虚偽の報告をしていたと認めてグランプリを返上した。

 一方で、椎野さんをかばう声もある。“完売画家”の中島健太さんやホリエモンさん、橋本マナミさんらは、男性が既婚者と知りつつも好きになってしまったなら仕方ないと、揺れる女心に一定の理解を示した。

 個人的には不倫よりも、3年間交際していた男性を一方的な悪者にしてでもグランプリの座にしがみつこうとした態度の方が怖いのだが、その並々ならぬ野心とガッツこそが、審査員をうならせた「行動の美」だったのかもしれない。

 何にせよ、椎野さんも転んでもただでは起きないキャラだと思う。ミス日本は残念だったとはいえ、日本に関わるタイトルにこだわりがあるのなら、バチェラー・ジャパンへの出場をすすめたい。上昇志向と駆け引きのうまさという、まさに「内面」と「行動」のたくましさを、ミス日本以上に発揮できると思うのだが。

冨士海ネコ(ライター)

デイリー新潮編集部

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