伊藤英明は次に告発されたら「アウト」? 「海猿」騒動で炎上…渋いアラフィフ俳優として「浮上」できるのか

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

悪者になるより愚か者になる方が得? 「疑わしきは罰する」スポンサーの動きに伴うリスクマネジメント

 松本さんは女性ではなく週刊誌を提訴、ミュージシャンNや制作会社社長は沈黙を守り、ヒカキンさんは謝罪動画を出している。今回、伊藤さんはそのどれでもない道をとった。自分の態度がどうだったかということには触れず、原作者にもフジテレビにも感謝を述べるというやり方だ。

 伊藤さんの対応をスマートだと褒める人もいれば、悪手だったのではという人もいる。たとえ自分の行動を覚えていなくても、謝るのが大人の対応では、という意見も見受けられた。

 ただ謝罪文の書き方によっては、状況が悪化するリスクの方が高い。表現のあら探しをされて「反省の色が見られない」とさらに炎上することも考えられる。何より怖いのは、問題が長期化してトラブルメーカーと見なされ、スポンサーやテレビ局が離れていくことだろう。

 ジャニー喜多川氏による事件の影響で、旧ジャニーズタレントのCMスポンサーが「撤退ドミノ」を起こしたのは事実。松ちゃんの報道後も、その傾向は同じだった。犯罪だと確定する前でも、「疑わしきは罰する」ことが企業のリスクマネジメントとして根付いた今、タレント側もそのことを念頭に置いて動く必要がある。

 伊藤さんも、わざわざ自分の「罪」があったかどうかにこだわるより、今後のビジネスへの影響を考えただけのことだろう。悪者になるよりは、面の皮の厚い愚か者にとどまった方がいい。そういう計算があったのではないだろうか。

告発されるのはもう3度目……ヤンチャイメージが定着していた伊藤さんが招いたツケ

 とはいっても、伊藤さんが告発されるのは3回目だ。最初は、結婚直後に「フライデー」が報じた、ナンパした女性たちとの乱痴気写真。真偽のほどは定かではないのだが、行為中に「海猿」の役名で呼ばせていたなどという、今回よりも原作を侮辱するようなエピソードも伝えられてしまった。

 次に、ガーシーこと東谷義和のYouTubeでの、「(2001年に伊藤さんが救急搬送された時に)使った薬物はマジックマッシュルームではなくエクスタシー(=違法薬物であるMDMA)」という暴露。いずれにも伊藤さんサイドは反応しておらず、むしろ今回、名指しされてもいないのにコメントを出したのは異例のように思われる。

 かつて笑福亭鶴瓶さんの番組では「デタラメやることが俳優だと思っていた」と語っていた伊藤さん。そうした行動や過去の報道を含め、素行が悪いタレントイメージはなかなか消えない。今でこそ「丸くなった」「子煩悩のパパ」と共演者から評されるものの、今回も「当時の伊藤英明ならいかにもやりそうだし、驚かない」というコメントは少なくなかった。「疑わしきは罰する」流れの中で、ヤンチャイメージばかり定着しても何のメリットにもならない。ようやくそのことに、伊藤さんも気付いたに違いない。

 伊藤さんを見ていると浮かぶ、ナポレオンの言葉がある。「おまえがいつの日か出会う災いは、おまえがおろそかにしたある時間の報いだ」。出演作は多い割に、「海猿」以外にあまり代表作が思い付かない伊藤さんだが、その「海猿」さえいわくつきになってしまった。

 お騒がせ俳優として「沈む」か、渋いアラフィフ俳優として「浮上」するか。今回は不運な形で流れ弾が当たったようにも思うが、少なくとも、次に告発されたら本当にアウトになりかねない瀬戸際にいるのは確かではないだろうか。

冨士海ネコ(ライター)

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。