林官房長官、盛山文科相と旧統一教会のズブズブな関係 「選挙運動を手伝い2週間で2万人に電話」「関連団体が千羽鶴で“応援”」

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党の調査にも、国会答弁でもうそを

 まず21年10月にあった衆議院議員選挙の公示日2日前にあたる10月17日、盛山氏は神戸市勤労会館で世界平和連合が主催した国政報告会で登壇して60~70人の聴衆の前でスピーチをしている。そこからおよそ5カ月後の22年3月27日、今度は神戸市教育会館でUPF・兵庫県平和大使協議会主催の記念講演会に登壇した。神戸は兵庫1区を選挙区とする盛山氏の地元である。

 そこで浮かぶ疑問は、なぜ盛山氏は“1度だけ”という「小さなうそ」をついたのかということだ。本当に教団関連団体と知らずに参加していたのであれば、1度でも2度でもそれほど大きな問題ではない。にもかかわらず、盛山氏は党の調査にも、国会答弁でも「うそ」をついた。

透けて見える裏事情

 なぜそんなに危ない橋を渡ったのか。その不可解な謎の答えは、21年10月の国政報告会で撮影された一枚の写真にある。

 同様のものが2月6日付の朝日新聞にも掲載されているが、盛山氏を2人のスーツ姿の男性が挟んで立っている。右側の男性は世界平和連合兵庫県連合会の幹部D氏、左側の男性はやはり教団関連団体である兵庫県平和大使協議会のE氏だ。ここで注目すべきは、盛山氏がD氏と一緒に掲げている紙。そこには「推薦状」と書かれている。そう、実は盛山氏は教団関連団体と知らずに会合に1度参加した程度の話ではなく、世界平和連合の正式な推薦を受けた候補者だったのだ。

“1度”以上を認めてしまうと、「推薦」のことまで探られてしまうかもしれない。ゆえに、“1度だけ”で逃げを打たざるを得なかった――そんな事情が透けて見えてくるのである。

 ちなみに、この推薦状は「世界平和連合 梶栗正義会長」の名義で出されている。梶栗氏といえば19年10月に、元米国下院議長のニュート・ギングリッチ氏と自民党本部を訪れて、当時自民党政調会長だった岸田文雄氏と面会したと、昨年12月に「朝日新聞」で報じられた人物である。岸田首相は面会したのはギングリッチ氏だけで、梶栗氏の存在は承知していないと今日まで突っぱねているが、盛山氏がありがたく推薦状を受け取っている姿を見ると、世界平和連合と自民党の“関係性”を改めて疑わざるを得ない。なお、盛山氏も林氏と同じ東大出身で旧岸田派所属議員である。

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