「森元総理は塩谷さんを“いけにえ”に5人衆を守ろうと…」 渦中の安倍派・塩谷立座長は「私や幹部が辞めて決着する問題ではない」

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「森さんが狙っているのは…」

 同派の元会長でいまだ「オーナー」然とする森氏が、「5人衆」を常日頃かわいがっているのは周知の通り。読売報道を見て激怒したのか、麻生太郎副総裁の元を訪れ、不満を述べたという。

 前出・清和会関係者によれば、

「森さんがあちらこちらで言っているのは“5人衆だけは守ってくれ”ということ。子飼いの彼らが失脚すれば、森さんの影響力もそがれますからね」

 しかし、誰もおとがめなしで通りそうにないのは十分承知している。

「そのため森さんが狙っているのは、塩谷座長に責任を取って離党や議員辞職してもらい、それをもって事を収めようということ。そうした“解決策”を周辺に仄(ほの)めかしています」(同)

 しかし、もちろん現在のトップである座長は塩谷氏だが、立件対象となった期間中はその地位になく、就任後も意思決定の権限は限定されていた。彼一人を「いけにえ」として終わりでは、5人衆にあまりに都合の良過ぎる幕引きである。

「わがグループには大きな責任がありますが…」

 当の塩谷氏に尋ねてみた。

――茂木幹事長からは何を言われた?

「こちらから電話をしました。党内で出ている処分論について、どのように考えているか気になりまして。幹事長は“そちらの幹部で判断してほしい”と」

――その返答についての受け止めは?

「それは違うだろうと思いましたよ。これは清和会だけというより、すでに党全体の問題。それについて“派の問題。自分で考えてほしい”というのは、他人事過ぎます。そもそも、私や幹部が辞めて決着する性質のものでもありません。もちろんわがグループには大きな責任がありますが、二階派も宏池会も同様、起訴されている。その点をどう考えているのか。党全体で政治とカネの根本的問題に取り組むことが、国民からの信頼回復につながるのではないでしょうか」

――森さんとは会ったか?

「26日に。派閥解散を事前に連絡せずに決議したので、ごあいさつに伺いまして。話したのは10分くらいですかね。報告すると“この流れでは仕方ないな”と。“将来、どういう形かはわからないけど、またグループができるかもしれない。そのことも考えて行動しろ”とも言っていましたね」

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