ネットでは50万円超え! 大谷翔平の開幕戦チケットを転売屋から買うとどうなる? 「詐欺被害に遭う可能性も」

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日本人は転売チケットを手にできる?

 大谷翔平(29)が所属するメジャーリーグのドジャースが3月20日の開幕戦と翌21日の第2戦を、韓国ソウルの高尺(コチョク)スカイドームで迎える。対戦相手はダルビッシュ有(37)や松井裕樹(28)らを擁するパドレス。夢のカードの熾烈(しれつ)なるチケット争奪戦の裏側を掘り下げた。

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 開催地の高尺スカイドームは収容人数が1万6千人程度と座席数が少なく、チケットの争奪戦は熾烈を極めている。今回、正規のチケットの販売方法は二つだけだ。一つは韓国人向けで、韓国の動画配信サービス「クーパンプレイ」の有料会員のみを対象にしている。

 すでにこの韓国人向けの方法では、開幕戦のチケットが1月26日に販売されており、15分ほどで完売したという。第2戦のチケットは3月1日に販売予定となっている。

 韓国やアメリカの転売サイトをのぞくと、クーパンプレイを通じて販売されたこの開幕戦のチケットが、高額で転売に出されている様子が確認できる。例えば、定価約2万4千円の4階指定席のチケット1枚に、約53万円もの価格が付けられているのだ。

 日本人がクーパンプレイを通じて販売されたチケットを転売で購入するには、こんな方法がある。

「このたびのチケットは1人あたり2枚までの購入が可能でした。よって、日本人であっても、韓国人の購入者と現地で合流し、その同伴者として2枚目のチケットで入場することは可能です。転売サイトなどを通じて、このような趣旨で2枚目のチケットを購入する方法がもっとも現実的だと思いますが、やはり不正であることには変わりがない。もちろん推奨はできません」(元東京新聞ソウル支局記者で在韓ジャーナリストの金敬哲氏)

SNSでの購入には要注意

 さて、もう一つの正規の販売方法は日本人向けのもの。大手旅行代理店「JTB」が企画する韓国への観戦ツアーとセットでチケットを購入すればいい。

 この商品は2月下旬に抽選販売が行われる予定だが、チケットの大部分は当初からクーパンプレイが押さえている模様で、JTBが確保できる枚数は少ないとみられる。となれば、こちらも転売市場で高額なプラチナチケットと化すのか。

 ヴィクトワール法律事務所で代表弁護士を務める加藤隆太郎氏によれば、

「令和元年より施行されたチケット不正転売禁止法は、転売を行う販売者側を罰する立て付けになっています。ただし、今回のように開催地が海外の場合は適用外になってしまう。つまり、JTBが販売するチケットを転売すること自体は罪に問われません。結果、もしかすると転売屋が横行するかもしれませんが、そのチケットを購入したからといって観戦までたどり着けるかどうかは別問題。正規以外の方法での購入には、リスクが伴うことを理解しなくてはいけません」

 さらに、今後、詐欺被害に遭う可能性についても注意を払う必要があるという。

「韓国人向けに販売されたチケットには、すでに高額の転売価格が付けられています。であれば、詐欺師が現れるのは必然の流れ。この先、JTBのチケットに関しても詐欺被害が出てこないとは限りません。転売サイトにも注意は必要ですが、何よりもまずはX(旧Twitter)などのSNSを通じた購入は控えたほうがいいと思います」(ITジャーナリストの三上洋氏)

 冷静になれば、そもそも大谷選手らの出場が保証されているわけでもないのだが……2月8日発売の「週刊新潮」では、“プラチナチケット狂騒曲”をレポートする。

週刊新潮 2024年2月15日号掲載

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