巨人キャンプ 第1クール終了で思うこと 阿部監督があおる“外野戦争”はどうなる?【柴田勲のコラム】

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当時のキャンプの流れ

 1日にキャンプ・インしても1週間くらいは体作りだった。徐々にピッチを上げて15日あたりから投手はピッチング練習を始め、野手は打撃となる。打撃練習といっても、バッティング投手がいないから野手同士で投げ合っていた。たまに2軍から手伝いが来た。

 巨人が打撃投手を初めて採用したのは67年ごろからだと思う。それも2人くらいかな。以後、他球団にも広がった。当初は長嶋(茂雄)さん、王(貞治)さん、広岡(達朗)さんといった主力が独占していた。

 まあ当時は練習が終わるのも早かった。支配下選手も50人くらいで、1、2軍一緒に練習をしていた。

 投手陣は昼過ぎに上がって食事をしたあとは麻雀だった。野手陣は球場で軽く食事を取って午後2時過ぎには宿舎に帰った。

 2月末から試合形式の練習になって3月にはオープン戦だ。投手の仕上がりが早くて野手は遅い。2対1とか3対1の投手戦が多かった。5点以上取った試合は少なかった。

阿部監督に賛成

 時代の変化を感じて、つい思い出話になった。

 さて第1クールまでの巨人だが、阿部新監督は選手たちに声を掛け、また自ら指導をして積極的に溶け込もうとしているようだ。「笑うアベには福来る」なんて話していたが、44歳の新監督らしい発想だと思う。

 4番の岡本和真を一塁に固定、坂本勇人を三塁、門脇誠を遊撃で使うと明言している。岡本の固定は大賛成だ。

 昨年は本職の三塁だけではなく一塁、左翼も守った。本塁打王を獲得した岡本は巨人の顔であり軸だ。軸をそうそう簡単に動かすものではない。チームが落ち着かない。

 この三人の名前がクローズアップされているが、最終的に捕手は大城卓三だろうし、二塁は吉川尚輝に落ち着くと思う。

 阿部監督は「外野戦争」と盛んに競争をあおっている。左翼を丸佳浩と秋広優人で争わせる考えだが、丸は巨人で絶対に外せない選手の一人だ。

 現在34歳、私にも経験があるが「落ちてきたな」と感じるのは36歳を過ぎてからで、まだまだやれる。やはり中堅での起用だ。秋広は左翼で使っていけばいい。

 右翼候補は新外国人のルーグネッド・オドーアとなる。メジャー通算178本塁打ながら打率と出塁率が悪い。守備も二塁が本職で外野経験も極端に少ない。外国人選手は実際にプレーしないことには分からない。

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