メッツ移籍の藤浪晋太郎(29)に忍び寄る阪神時代の「悪夢」 制球難ではない「伊良部」も「松井稼」も屈した“難敵”とは
NYメディアは関西以上に辛辣
米大リーグ、オリオールズからフリーエージェント(FA)になっていた藤浪晋太郎投手(29)がメッツと単年の335万ドル(約5億円)で契約合意したと2月2日、複数の米メディアが報じた。今季、メジャーを目指していた日本選手の大トリで所属先が決まった。大谷翔平、山本由伸投手がドジャースに移籍するなど日本選手に西海岸人気が根強い中で東海岸、しかも大都市ニューヨークをホームとするチームに飛び込む。
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ニューヨークは北米の四大スポーツで、MLBのほかNFL、NBA、NHLでも複数チームが本拠地を置いている。ファンは味方選手にさえブーイングを浴びせるほど競技に精通し、それゆえメディアも辛辣だ。
藤浪は今季がMLB2年目で、さらなる飛躍を目指す。課題は制球難だけではなく、かつてヤンキース、メッツでプレーした伊良部秀輝投手(故人)、松井稼頭央内野手(現西武監督)と同様に、ニューヨークならではの難敵と闘うことになりそうだ。
藤浪をよく知る阪神の球団関係者は心配顔で話す。
「晋太郎がメッツに決まったときは大変なところを選んだなと思いました。ニューヨークのファンは味方選手に対しても、ふがいないプレーにはブーイングを浴びせてきます。最近の日本人メジャーリーガーは報酬以上に環境を重視するため、ヤンキースやメッツを避ける傾向にあります。千賀(滉大投手)はレアケースですよ。井川(慶投手)に対してもそうでしたが、メディアのこき下ろし方は関西のマスコミ以上のものがありますから」
藤浪は大阪桐蔭高時代に春夏の甲子園を連覇し、将来のエースとしてドラフト1位で阪神入りした。ルーキーイヤーの2013年から3年連続で2桁勝利と、順風満帆のプロ生活のスタートを切った。
しかし、4年目の16年に7勝に終わると、制球難で自滅するなどすれば、甲子園球場の客席からはブーイングやヤジが飛び交うようになった。ストライクが一つ入らなかっただけで、ため息も聞こえた。12球団いち熱狂的な応援は、それだけ反動も大きい。「聖地」は藤浪の登板時、敵地かと見まごうほどの異様なムードに包まれるようになっていった。
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