初期費用は770円、お手入れは「3日で15分」 高齢者のメンタルに効く「エアプランツ」の勧め

ドクター新潮 ライフ

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「コントロールできる」

 さらに特徴的なのは、エアプランツが着生植物だということだ。熱帯の自生地では、樹木やサボテン、岩、時には電線などの人工物にまで着生して育つ。

「エアプランツは元々樹木の上とか高いところで育っているから、厳しい環境に耐えている植物だし、耐えうる力がある植物なんです。好みの株を育てて、ぜひ、最後に花を咲かせる美しさ、親株が枯れていくはかなさを味わってほしいですね。高齢の方にも扱っていただきたい植物です」

 ただし、花を咲かせるためには、それなりの努力が必要である。水、光、風の管理に加え、適度に肥料を与えることも重要だ。

「肥料は大事ですが、与え過ぎるのも良くない。液肥(えきひ)を通常の倍くらい薄くして与えるといいです」

 エアプランツの着生植物という性質を利用して、流木やコルク、カクタススケルトン(サボテンの骨)に着生させる人も多い。私もワイヤーを使い、流木への着生を試みたが、かなりの数枯らしてしまった。かわいいがあまり、水をやり過ぎてしまったのだ。成功したのは、コルク付けだった。

「どれが自分の植物にとって正しいのかを見つけるまで、失敗は必ず起こります。失敗した理由が分かれば次のステップに行ける。植物はコントロールできるし、言い方を変えれば、自分がやった分しか育たない」

キング・オブ・エアプランツ

 植木鉢で育つ草木と違い、エアプランツの成長はゆるやかだ。けれど、100円ショップで買ったエアプランツにピンク色の花が咲いたときには感激したし、発根したその根が針金のように硬いことは驚きだった。

 そして、エアプランツ好きなら誰もが育ててみたいと思うのが、キング・オブ・エアプランツと呼ばれるキセログラフィカである。

 トリコーム(白い産毛)が密集し、くるくるとカールした葉が特徴で、全体的に丸いことから、手まりに似ているといわれる。しかし、大きく育てると、存在感というか、迫力があるので、小型のペットを飼っているようだ、という人もいる。

 ただし、葉がカールしているのは、杉山氏によれば「あれは水不足で、喉が渇いている状態。水が足りていれば、葉は下に垂れる」そうだが、カールした葉を好む人も多いので、育て方で調整すればいい。

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