「小池百合子知事」がぶち上げた「給食費負担軽減」に自治体が困惑しているワケ

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本当の意味で「チルドレンファースト」は

 実は発表の2週間前、11月中旬にあった都議会の決算委員会で、ある会派が学校給食の無償化を要求している。これを求めたのは、都民ファーストの会から除名された議員。この時、東京都の担当幹部は「無償化は国が行うべき」とにべもなかった。

 わずか2週間でどのような方針転換があったのかは定かではないが、制度設計はおろか、準備もろくに進んでいない状態で打ち出し、担当局が大急ぎで準備を始めたわけである。

「018サポート」では都民が現金を受け取ることになるため、事業そのものに対する批判はそれほど聞かれない。ただ、制度の詳細を固めずに打ち出した結果、「申請手続きが煩雑すぎる」「申請途中からの再開手順が分かりにくい」といったクレームが相次ぎ、事務方が改善に追われる始末だった。

 小池知事は「018サポート」について「周りに聞いてみたら、『サクサクできました』という人は結構多い」(昨年9月22日の記者会見)と述べたものの、利用者アンケートによると、操作方法や入力方法が「分かりにくかった」「とても分かりにくかった」が40%を占め、申請にかかった時間も「15~30分」が30%、「30分~1時間」が27%に上った。都議会からは、「都合の悪い情報が知事には上がっていないのではないか」との批判も上がっている。

 実際に給食費負担軽減で地域格差が生まれてしまえば、都民からの批判にさらされる可能性もゼロとは言えない。

 7月の都知事選を前に、惜しみなく予算を投じた小池知事。

 急ごしらえの政策は本当の意味で「チルドレンファースト」に結びつくかどうか。ふたを開けてみるまで分からない。

デイリー新潮編集部

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