野球人生の“崖っぷち”に立たされた選手も…復活が期待される「パ・リーグ6選手」

スポーツ 野球

  • ブックマーク

盗塁王2度の西武「金子侑司」は返り咲けるか

 5位からの巻き返しを図る西武では、昨季限りで複数年契約を終了した金子侑司が、復活をかける。ルーキーイヤーから内外野を守れるユーティリティプレイヤーとして一軍で94試合に出場すると、4年目に外野のレギュラーの座を奪い、53盗塁で盗塁王に輝いた。その後、打撃は好不調の波が大きかったものの、7年目の2019年に再び盗塁王を獲得。入団から8年連続で二桁以上の盗塁をマークする活躍を見せた。

 近年は度重なる怪我で成績が低迷。昨季は47試合に出場、15安打、1盗塁に終わり、オフには野球協約で定められた限額制限(年俸1億円以上は40%)を超える44%減の推定年俸7000万円で単年契約を更改した。今年4月で34歳となる金子だが、西武の外野陣は3つのポジションとも流動的でチャンスは残されている。持ち前のスピードを取り戻して、もう一度、定位置獲得を目指したい。

 最後は、2年連続の最下位に沈んだ日本ハム。新庄剛志監督の勝負の3年目で、チーム浮上にキーマンになりそうなのが、堀瑞輝だ。広島新庄から2016年のドラフト1位で入団。3年目には中継ぎとして一軍に定着した。5年目の2021年には60試合に登板して、39ホールドをマーク。最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。

 翌年以降は左肩痛の影響で、大きく成績が低下。昨年は5試合の登板に終わっている。日本ハムの左の中継ぎは、大ベテランの宮西尚生が長らく支えてきたが、それ以外では河野竜生と福田俊しか候補は見当たらない。チームが低迷から脱出するには、堀の復活は必要不可欠だ。自主トレでは順調に調整が進んでいる様子が報じられた。今季はフル回転の活躍に期待したい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。