野球人生の“崖っぷち”に立たされた選手も…復活が期待される「パ・リーグ6選手」

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2019年には最高勝率のタイトル獲得

 2月1日にスタートしたプロ野球の春季キャンプ。ルーキーやトレードで移籍した新戦力に注目が集まる一方で、実績がありながらも、昨季は期待通りの活躍ができなかった選手が復活するのか、チームの成績を左右すると言っても過言ではない。今回は、パ・リーグ6球団から復活を期待したい選手を1名ずつピックアップしてみた。【西尾典文/野球ライター】

 まずは、パ・リーグ4連覇を目指すオリックス。毎年のように新戦力が飛び出して、若手投手の充実度は12球団で1、2を争う。そんな若手に負けずに、先発ローテーションの一角に食い込みたいのが、山岡泰輔だ。プロ1年目からローテに定着し、3年目の2019年には13勝4敗で最高勝率のタイトルを獲得した。だが、翌年以降は故障の影響などがあって、大きく成績を落とし、4年間で計15勝にとどまっている。

 昨季は夏場以降、リリーフに回り、13試合連続無失点を記録するなど、31試合に登板して防御率2.30と結果を残した。とはいえ、元々の能力を考えると、満足できるような成績ではないだろう。現時点では先発、リリーフ両方に対応できるように調整を続けていると報じられている。チームは、山本由伸(現ドジャース)と山崎福也(現日本ハム)という先発2本柱が退団しただけに、山岡の先発復帰に期待したいところだ。

 昨年2位のロッテでは、今年35歳となる井上晴哉の復活を期待したい。2013年のドラフト5位で入団した井上は、5年目の2018年に24本塁打、99打点とブレイクした。その翌年も24本のホームランを放ち、「主砲」の地位を確立したかに見えた。

 だが、2021年6月の中日戦でダイビングキャッチを試みた際に、右手首を痛めて戦列を離れると、その後は成績が低迷してしまう。昨季は開幕戦こそ4番で出場したものの、調子を取り戻せず、出場32試合で、わずかに1本塁打と寂しい成績に終わった。

 ただ、救いなのは、二軍での成績だ。打率.293、7本塁打、OPS(出塁率+長打率)は.869としっかり成績を残している。体重115kgという巨漢で、パワーが注目されがちだが、中央大時代から広角に打てる打撃技術には定評がある。DeNAを自由契約になったソトが加入したことで、ファーストのレギュラー争いは激しくなるだろうが、井上に、もう一花咲かせてほしい。

2016年に14勝をマークするも

 超大型補強にもかかわらず、昨季3位に沈んだソフトバンク。武田翔太は、そろそろ結果を残さないと苦しい立場に追い込まれそうだ。2011年のドラフト1位で入団した武田は、2015年に13勝、2016年には14勝をマークするなど、早くから先発の一角を担った。しかしながら、規定投球回数に到達したシーズンは、この2年間だけで、翌年以降は目立った成績を残していない。

 他球団の編成担当者は、武田の現状について、以下のように分析している。

「力があることは誰もが分かっていますし、こんな成績で終わるような投手ではないと思い続けてきましたが、さすがに、これだけ結果が出ないとだんだん見切られてきますよね。数年前ならトレードでぜひ欲しいという球団もあったと思います。ですが、大型契約(2022年から4年契約)を結んだことで、そういう話にもなりづらい。ソフトバンクで何とか結果を残すしかない状況だと思いますね」

 昨季4位の楽天は、今江敏晃新監督が就任し、新たなスタートを切った。先発の柱だった則本昂大が抑えに回り、主砲の浅村栄斗もサードへのコンバート案が出るなど、変化の大きいシーズンとなりそうだ。その中で輝きを取り戻したいのが、茂木栄五郎だ。

 1年目からショートのレギュラーを掴み、2年目にはチームトップとなる打率.296をマーク。4年目の2019年には、キャリアハイとなる160安打を放っている。2020年以降は腰を痛めた影響もあって、成績が低下。昨年は、開幕から調子が上がらず、8試合の出場1安打と、プロ入り以来最低の成績に終わったが、今年で30歳と老け込むには早すぎる。

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