母は「チビ太」とからかわれていたボクを救ってくれた…年上女性と何度も不倫を繰り返す45歳「マザコン夫」の原体験
誰がどういう人を好きになるのか、それは千差万別で、もちろん個人の自由である。本来、「好きになってはいけない人」などいるわけもなく、誰を好きになろうが他人に非難されるいわれはない。
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「不倫がいけないというのは、結婚がある種の契約であって、その契約に違反するからですよね。だけど個人の感情を止めることはできない。だからむずかしいんですよねえ」
どこかのんびりした口調でそう言うのは、佐島慎吾さん(45歳・仮名=以下同)だ。過去に2度ほど不倫をして妻を疑心暗鬼にさせ、さらに今、「とても好きな人」と時間を分かち合い、幸せなのだという。わかっちゃいるけどやめられないのか、そもそもやめる気がないのか不明。にっこり笑った顔は愛嬌があって、女性が心許すのもわかる気がしてしまう。
「まあ、過去も今も、他人からは“不倫”と言われるでしょうが、僕にとっては“恋愛”です。それがいけないと批判されても、気持ちは変えられない。性的な関係をもたなければ不倫ではなく恋愛になるんでしょうか。結婚したら、二度と好きな人ができてはいけないんでしょうか。おかしいですよね、いわゆる“常識”というものほどわからないものはないような気がします」
穏やかな口調ながら、彼は「既婚者の恋愛」を否定することはできないとはっきり言った。それは女性も同じだとも。妻が恋愛をしてもしかたがないと思っているそうだ。
「僕の場合は完全にマザコンという土台があって女性観が決定づけられている。そう思います。僕は母が大好きだった。優しくていつもいい香りがして、それでいて強くてたくましくて」
いじめた子の家に乗り込んだ母
小学校に入ったばかりのころ、慎吾さんは体が小さくて気弱だったため、よく同級生に「チビ太」とからかわれた。泣いて帰った日、母は慎吾さんに「いじめた子の家に連れていって」と彼を促した。母はその子の家の前で、当人をつかまえ、「うちの子に謝って」と言った。
「そいつはイヤだ、いじめてなんかいないと言い訳していたのですが、母は『あんた、鼻がでかいね。鼻デカって呼んでやろうか』と言うんです。そいつがじろっと母を見ると『イヤでしょ。そういうことを言われたら人はイヤな思いをするの。だから謝りなさい』と有無を言わせなかった。その家のおかあさんが出てきたんですが、母は『私とお宅の子の問題なので、口をはさまないでくださいね』と。そいつ、とうとう僕に『ごめん』と言いました。すると母はそいつと僕を握手させ、『いい? もうこの話は終わり。明日から仲良くするのよ』って。今思えば、そいつは別に鼻が大きいわけじゃなかった。彼が鼻が大きいとコンプレックスを持ったとしたら、それはそれでかわいそうだなと思いました(笑)」
帰宅すると母は、「あんたもイヤならイヤとはっきり言いなさい。ずるいことはしちゃダメ、だけど自分の意見をはっきり言わないのもダメ」と彼に言い含めた。それでも気弱だった彼はなかなか強い子にはなれなかったが、父の影響で野球をするようになってずいぶんと変わったそうだ。
「父とはよくキャッチボールをしました。3歳年下の弟も一緒にいたし、母はそんな様子をニコニコと眺めていた。父は母を全面的に信頼していたんでしょうね、何かにつけて『おかあさん、これはどうしたらいい?』と母に聞いていた。母は『おとうさんは人がよすぎる』とよく言ってた。本当に市井の、ごく普通の仲のいい家族だった」
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