中日 最下位脱出のカギは打線強化…新外国人「ディカーソン」に期待が集まるワケ
投手陣は充実しているが
「それでも先発陣は何とか揃っています。選手会長も務める柳裕也(29)、髙橋宏斗(21)、小笠原慎之介(26)、涌井秀章(37)がいて、今季は大野雄大(35)も帰ってきますので」(スポーツ紙記者)
チーム防御率3.08はリーグ2位。投手戦力は豊富だが、チームの雰囲気を変える具体的な策は、新戦力の台頭か加入だ。その意味で、草加に期待する声は多く聞かれていたのだが、キャンプイン前に躓いてしまったのだ。
「仕方ない。入ったばかりで本人が一番残念な思いをしていると思う。早く復帰できるように」
立浪監督はそう言って庇っていたが、こんな指摘も聞かれた。
「ドラフト会議直前、草加については『様子を見ましょう』という声もありました。つまり、最終的な評価を下すのはまだ早いと判断したわけです。草加の投げていた重量感のある剛球は確かに二重丸でしたが、彼は大学4年春のリーグと同年秋のそれでは、投球フォームが異なります。春は肘の位置を少し低くし、秋にまた戻しているんです。変化球のコントロールを含め、彼なりにまだ悩んでいたのでしょう」(ライバル球団スタッフ)
今回の肘の故障は、試行錯誤していた学生時代の影響だろうか。他球団が上位指名に慎重だったとの情報を聞くと、中日スカウト陣や立浪監督の判断が甘かったと言われても仕方がないかもしれない。
「昨年も即戦力と期待されていたドラフト1位投手、仲地礼亜(22)が、5月のプロ初登板で脇腹をつってしまい、1回2安打2失点、わずか20球で降板しました。ドラ1投手の故障は2年連続です」(前出・名古屋在住記者)
新人投手といえば、昨季ファームでこんなアクシデントも起きていた。仲地と同期入団でもある高校左腕の森山暁生(19)を、故障させてしまったのである。将来のエース候補と目され、ファームでも中6日のローテーションで投げていたのだが、シーズン中盤に左肩を痛め、さらにリハビリ中に右足首を負傷してしまった。詳細は明かされていないが、高校卒投手に中6日での登板を強いたこと、そして、「リハビリ中のケガ」ということで新人選手の管理・育成システムに首を傾げる声も多く聞かれた。
「中日は22年ドラフトまでの過去5年間で、10人の高校生投手を指名しました。その10人のなかには根尾昂も含まれますが、10人中6人が育成選手落ちを経験しています。今季、森山も育成からの再スタートです」(前出・同)
ドラフト指名では見極めでしくじり、育成も疑問だらけ。これではチームの雰囲気も良くならないだろう。
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