解散後の大きな挫折も…ポケビ“復活”の夢を見事叶えた千秋のたくましさ

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負け犬ユニットとして始まったポケビ

 そんな千秋の出世作となったのが「ウリナリ!!」だった。もともとは番組内で千秋を含む女性出演者4人の中から3人を選んでユニットを組みCDデビューさせる、という企画があった。歌手になりたいという思いは誰よりも強いと自負していた千秋だったが、選考に漏れて1人だけユニットから外されてしまった。このとき、千秋はカメラが回っているのにも構わず、本気の悔し涙を流した。

 これが番組スタッフの目に留まった。千秋が感情をむき出しにするのが面白いということを発見して、それを引き出すために「ポケットビスケッツ」という新たなプロジェクトが立ち上げられた。ポケットビスケッツは、選考に落ちた千秋を中心にした負け犬のユニットとして始まった。

 ここで千秋は奮起した。衣装のデザインや作詞も自分で手がけて、個性を前面に打ち出していった。2枚目のシングル「YELLOW YELLOW HAPPY」が150万枚を超えるミリオンセラーとなり、ポケビは人気アーティストとして定着。「紅白」にも出場を果たした。

ポケビの活動に対して誰よりも真剣

 番組では「○○できなかったら解散」といった試練が次々に与えられ、千秋は必死で課題をこなしていった。新曲発売のために100万人の署名を集めるという企画では、脚を使って全国を回り、最終的には170万人以上の署名を獲得した。

 もともと歌手になりたくて芸能界に入った千秋は、ポケビの活動に対して誰よりも真剣だった。彼女にとっては、これはバラエティの枠を超えた夢のプロジェクトだったのだ。理不尽な仕打ちを受けると本気で悔しがり、怒り、涙をこぼした。その一生懸命な姿が多くの視聴者にも愛されていた。

 ポケビ解散後、千秋はソロアーティストとしてデビューするが、そのCDは驚くほど売れなかった。ここで彼女は大きな挫折を味わった。

「みんなはポケビというユニットが好きだっただけで、私の歌が好きなわけではなかったんだ……」

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