「選挙のお礼で韓国旅行に」県議らを買収した疑惑が 内閣府副大臣に“議員辞職級”スキャンダル
請求金額は約176万円
旅行代金の全額を工藤副大臣が払ったことを示す「証拠」が手元にある。その一つが旅行会社「ツーリストラボ」社からの請求書。宛先は工藤副大臣が代表を務める「自由民主党愛知県第四選挙区支部」で、請求金額は175万9638円となっている。そこには〈ソウル視察旅行代金〉とも記されている。
また、請求明細書には、藤沢氏12万8千円、横井氏17万9千円、藤田氏11万2千円、工藤副大臣9万2千円など、各議員にかかった費用が細かく記されている。
「費用に若干の差があるのは、全員が同じ便で向かったわけではないから。直江、坂野、服部、吉田の4名は旅行会社が組んだ旅程通りにアシアナ航空便で行って帰ってきたので、料金は同じ11万5千円となっています」(同)
旅行会社が作成した〈ご旅行日程表〉によると、1日目は〈着後、ソウル市内観光〉、夕食は〈景福宮にて生カルビコース〉。2日目は〈市内及び郊外観光〉で夕食は〈龍水山にて韓定食〉となっている。使用する交通機関は全日〈専用車〉、〈利用予定ホテル〉は〈ミレニアム・ヒルトン又はロッテホテル本館〉。
「日程表が作成されたのが11月17日になっています。選挙が終わってから急いで旅行の計画を立て始めたのでしょう」(同)
キックバックも
旅行に行ったメンバーと工藤副大臣の関係の深さは、彼が代表を務める「自由民主党愛知県第四選挙区支部」の収支報告書を見ても明らかだ。17年の報告書には、旅行直前の12月3日、直江氏が代表を務める自民党の支部に200万円、横井氏が代表を務める支部に100万円を寄付したとある。
「これらの寄付は、その年の9月に行われた工藤さんの政治資金パーティーのパーティー券を売ってもらった分のキックバックです」(愛知県議会関係者)
これは自民党愛知県連の手法を踏襲したものだという。県連のパーティーは、例えば1枚3万円の券を50枚までは1枚につき5千円のキックバック、それを超えたら1枚1万円、といった形式で1枚販売するごとにキックバックが発生するシステムとなっており、
「工藤さんの事務所でもパーティー券を売ってくれた人に同じやり方でキックバックしているのです。工藤さんが旅行を計画したのは、選挙だけではなく、パーティー券販売のお礼の意味も含まれているのでしょう」(同)
[2/5ページ]