【リニア】川勝平太・静岡県知事にJR東海が異例の反論で分かったこと…政治家なのに人の話を素直に聞く気がない

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川勝知事の反論

 川勝知事の反論は情報提供の問題だけではなかった。とても全部をご紹介する紙幅はないので、ごく一部をご紹介しよう。

「品川・名古屋間の開業も、結局のところは部分開業。ならば品川から甲府まで完成した場合、部分開業を議論したとしても不思議ではない」

「(部分開業ができない理由について)日本の大動脈を担うので、採算に合わないということだけでは説得力はない」

「2037年という期限が浮上するのは当然であり、恣意ではない」

「私は自分の考えをデータに基づいて申し上げているわけです。根拠を出して申し上げている」

「知事会見では、地元メディアから何よりも事実関係を確認しようとする質問が相次ぎました。そして最近の会見では顕著なのですが、川勝知事は真正面から答えません。はぐらかすというか、脇道に逸れるというか、質疑が噛み合わないことが目立ちました。質問と回答のキャッチボールがうまくいかないため、一部の記者は困惑を通り越し、少し厳しい口調で質問を重ねました。それでも川勝知事の姿勢が変わることはなかったのです」(同・記者)

 質疑応答の最後で、川勝知事はリニア建設を促進するアイディアがあり、JR東海に呼ばれれば言う、と明言した。

要を得ない発言の数々

 ところが、記者が再三にわたってアイディアの内容を尋ねても答えない。「(JR東海が)相談に乗ってくれと言われれば、即座に相談に乗りたい」と煙に巻くような発言で会見は終わった。

「川勝知事は建設促進期成同盟会にリニアの早期整備の促進を約束しています。本当に早期の整備促進のアイデアがあるならば、それを世に示すべきではないでしょうか。なぜ「アイデアはある」とだけ話をして内容を言わないのか、理解できません。また、JR東海が部分開業は無意味だと説明を尽くしても、知事は『日本の大動脈を担うので、採算に合わないということだけでは説得力はない』と反論しました。それはつまり、民間企業であるJR東海の経営状態を無視しても部分開業すべきということなのでしょうか。はたまた、税金を投入すべきという主張なのでしょうか。いずれにしても知事はリニア建設に関するスキームを根本から覆す主張を繰り返しています。思わせ振りな発言や中途半端な提言は止め、まずはご自身の真意をしっかりと明らかにするべきでしょう」(同・記者)

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