視聴率は“危険水域”のTBS「ジョンソン」 それでも「リンカーン」を超えるという意気込みを見守りたい理由
存続が危ぶまれるほどの危険水域に
昨年10月、TBSのバラエティ番組「ジョンソン」(月曜午後9時)が鳴り物入りで始まった。レギュラー出演するのは、かまいたち、見取り図、ニューヨーク、モグライダーの4組。いずれもいま勢いに乗っている芸人である。
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TBSは「ジョンソン」を過去の人気番組「リンカーン」の正式な後継番組と位置づけている。「リンカーン」は、主にダウンタウン、さまぁ~ず、雨上がり決死隊、キャイ~ンの4組がレギュラーを務め、それ以外にも準レギュラー的な扱いで多くの芸人が出演していた本格的なお笑い番組だった。「ジョンソン」もゆくゆくはそのような人気番組にしていきたいという考えなのだろう。
だが、今のところ「ジョンソン」は苦戦を強いられている。視聴率は超低空飛行を続けていて、存続が危ぶまれるほどの危険水域に入っているのだ。低視聴率であることを指摘するようなネットニュース記事もいくつか見受けられる。なぜ数字が伸び悩んでいるのだろうか。
いくつか理由は考えられるが、最も本質的なことを言うなら、「ジョンソン」が志の高い番組だからだ。守りに入っていない、と言ってもいい。そのため、目先の数字がついてこない状態が続いているのだろう。
バラエティ番組がほとんどなかったTBS
そもそも「ジョンソン」が「リンカーン」の系譜に連なる番組であることを、TBSがことさらにアピールしているのは、それだけ「リンカーン」が歴史的に重要な番組だったからだ。
「リンカーン」では「芸人の芸人による芸人のための番組」というコンセプトを掲げていた。番組名が「リンカーン」になったのも、そのコンセプトがエイブラハム・リンカーンの名言をもじっていることに由来している。
「リンカーン」が始まった頃のTBSには、芸人が多数出演してお笑い要素の強い企画を行うようなバラエティ番組がほとんどなかった。そのため、そういう番組を作るためのノウハウが蓄積されておらず、スタッフも育っていなかった。
そんな中で始まった「リンカーン」は画期的な番組となった。お笑い界の盟主であるダウンタウンを中心にしてさまざまな企画が行われた。その中でスタッフも演出を学んだり、芸人の心理を理解したりして、どんどん成長していった。
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