「セクシー田中さん」問題、自分事となると腰が引けるテレビ各社 有働アナと有名脚本家の言葉に共通点
野木亜紀子さんのSNSを引用したテレビ朝日
テレビ朝日は、1月31日夕方の「スーパーJチャンネル」で、「どうぞ、今はそっとしておいていただき、静かに見守っていただければ幸いです」という芦原さんの遺族コメントが発表されたこと、そして脚本家の野木亜紀子さんのSNS投稿を報じた。野木亜紀子さんはいま、人気と実力ともに国内トップの脚本家。「逃げるは恥だが役に立つ」など数々の漫画原作のドラマも手がけてきた人だ。
「いずれにしても日テレのコメントは、第二弾が出てもなお、あまりに足りてない。本来、日テレと小学館の間で話し合い納めるべきだったところがなぜここまでのことになってしまったのか」
というそのコメントには、原作者へのリスペクトが足りないという強い批判がにじんでいる。
有働由美子キャスターの「7秒間の沈黙」の意味は?
1月31日夜の日テレ「news zero」では、有働由美子キャスターが芦原さんの遺族コメントを読み上げたあと、スタジオでカメラを見据えて締め括った。
「ご遺族のみなさまに心からお悔やみを申し上げます…」
そう言って頭を下げた直後だった。
有働さんはうつむいたままで7秒ほど沈黙した。絶えず誰かが話しているニュース番組で、異例の長さと言っていい。そして、手元の原稿を見つめる仕草をした後、再びカメラを見つめて語り出した。
「芦原妃名子さんの尊い命が失われたことに本当に悲しい、やるせない気持ちです。原作者の方の意思を尊重するというのは当然のことです。この件については、何がどうしておきていたのか関係各所の“調査”が必要です。そしてその調査は誠実に、そして慎重にすることが大事だと思います」
有働さんは、3月で番組を卒業することがすでに決まっている。そういう立場で、日テレがするもしないも発表していない“調査”という言葉を口にするのは異例だし、前例がない。フリーランスのキャスターが組織の枠を超えた越権行為だったともいえるかもしれない。だが、ニュース番組の看板を背負う立場として、やむにやまれぬ決意のコメントだったのではないかと筆者は感じる。
[5/6ページ]