「セクシー田中さん」問題、自分事となると腰が引けるテレビ各社 有働アナと有名脚本家の言葉に共通点
フジとTBSが報じたトラブルの中身
つづいて1月30日夕方のニュース番組で、日テレとの“トラブル”の中身を検証する番組が登場した。
フジテレビ「イット!」は芦原さんのSNSを元に検証した。芦原さんは、代理人である小学館を通じて日テレに「2つの条件」を提示していたという。(1)“必ず漫画に忠実に”。忠実でない場合はしっかりと加筆修正すること。(2)漫画が未完であることから影響を及ぼさないよう“終盤はドラマ・オリジナルパートにすること”。原作者があらすじからセリフまで用意するという条件を設け、芦原さんが脚本執筆の可能性もあるとしていた。こうした条件をドラマ制作側に何度も確認したが、守られなかったのだという。
芦原さんの側から見ると、日テレから出された8話~10話の脚本は原作の内容を大幅に改変したものだった。そのため「用意した内容を脚本に落としこんでほしい」などと改めて求めたが、やはり大幅に改変されたプロットや脚本が提出された。そこで第9話と10話を芦原さん自らが脚本を書いて放送することになったものの、SNSには「素人の私が見よう見まねで書かせて頂いたので私の力不足が露呈する形になり反省しきり」と投稿していた。芦原さんの意向はすべて代理人である小学館を通じ日テレ側に伝えられたという。
「イット!」では、フリーディレクターが日テレ側から聞いた話として「日本テレビは芦原先生の意向を小学館側から正確に伝えられていないようだ」「原作を変えてほしくないことを脚本家も聞いていなかったようだ」と伝えている。
日テレは改めてコメントを発表したが…
当の日本テレビは、1月30日に改めてコメントを発表し、その内容を朝のニュース番組など他社が取り上げた。「日本テレビとして、大変重く受け止めております。ドラマ『セクシー田中さん』は、日本テレビの責任において制作および放送を行ったもので、関係者個人へのSNS等での誹謗中傷などはやめていただくよう、切にお願い申し上げます」というものだ。この追加の発表は、当初のコメントに対し「冷たい」などSNS上で批判が集まったからだとする解説もあった。
原作本の発行元である小学館も同日「芦原妃名子先生の生前の多大なご功績に敬意と感謝を表し、謹んでご冥福をお祈り申し上げます」というコメントを発表。こちらも合わせてニュースなどで報じられた。
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