ビッグモーター“兼重ジュニア”の逮捕はあるか? ついに社員が逮捕で社内に広がる「いつでも警察に協力する」の声
正社員からバイトに「降格」
同社元社員の話。
「社員の多くは、環境整備点検は“ジュニアの指示のもとに行われていた”と考えていたと思います。ジュニアが側近の経営幹部らを伴って店舗にやってくる日は、早朝から皆に緊張が走った。店長が敷地入り口で丁重に出迎えると、そのまま店舗周辺にゴミが落ちていないかなどをチェック。さらに従業員の身だしなみや店舗内の床、机の上の整理整頓の状況まで細かく点検されるのですが、異様だったのは巡回中にジュニアがスマホでパシャパシャと写真を撮りまくっていたことでした」
その写真を他店舗もメンバーに入るグループLINEに晒されることも珍しくなく、“動かぬ証拠”とともに「清掃がなっていない」と叱責されることも。その際、側近から「降格」や「ボーナスの大幅カット」を命じられることがあったという。
「私の目にはジュニアの威光を笠に着た側近らが、歓心を買うためにあえて厳しい態度に出ているように映りました。ただジュニアに取り入るパフォーマンスだったとしても、やり過ぎだったことは事実。一度、環境整備点検後、“マイナス点”をつけられた社員が『アルバイトへの降格』を命じられたケースがありましたが、要は退職勧告です。正社員からバイトへの降格など、受け入れられる社員はいませんから」(同)
蒲原容疑者は「ジュニアの側近」とまで言えるような立場ではなかったというが、それでも宏一氏とやり取りできる関係にあったとされる。
社内の“タレコミ予備軍”
前出の社会部記者が言う。
「当初から宏一氏が伐採に関与したことを立証するのは“難しいだろう”との声はありました。理由は宏一氏が街路樹の伐採などを命じたことを示す“メールやLINEなどはない”と囁かれていたため。しかし蒲原容疑者をはじめ、環境整備点検に関わった幹部から“ジュニアの関与”を裏付ける証言を引き出せれば『一気に捜査の道は開ける』と話す捜査関係者もいます」
宏一氏の関与を裏付ける証拠が出てこない点について、「当然だ」と話すのは前出のビッグモーター関係者である。
「昨夏にジュニアが社員に対し『死刑』などと連呼したLINEトークがメディアで報じられたのを機に、会社を挙げての“証拠隠滅”が行われました。社内の基幹システムだけでなく、クラウド上のものでも、不都合なデータは“すべて消去された”と聞いています。それでも蒲原さんの逮捕を受け、“ジュニアを逮捕するためなら、俺も警察に協力して証言する”と話す社員が出てくるなど、恨みを持つ社員が多いことに改めて驚かされた」
問題は「海外逃亡」説も囁かれる宏一氏の所在を警察が把握しているかどうかだが、この点については「捜査関係者も一様に答えをはぐらかしている」(前出・記者)という。
ビッグモーターに取材を申し込んだが、
「本件(蒲原容疑者の逮捕)を真摯に受け止めるとともに、警察の捜査に全面的に協力してまいります」
との回答にとどまった。“Xデー”はあるのか。捜査が着々と進んでいることだけは間違いない。