ビッグモーター“兼重ジュニア”の逮捕はあるか? ついに社員が逮捕で社内に広がる「いつでも警察に協力する」の声

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「いよいよ“ジュニア”逮捕の布石が打たれたか」――。取材を続ける大手メディア記者らの間で、そんな声が上がり始めている。街路樹の伐採問題で、警察が一気に攻勢に出た裏にある「本当の狙い」と、社内の意外な反応とは。

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 1月30日、神奈川県警は中古車販売大手「ビッグモーター」社員の蒲原敏之容疑者(51)を逮捕したが、その背景を全国紙社会部記者がこう話す。

「容疑はビッグモーター川崎店前の歩道に植栽されていた街路樹6本を伐採するよう、蒲原容疑者が同店に指示した器物損壊の疑いです。ビッグモーターの各店舗で行われた街路樹の伐採・枯死をめぐる問題では、すでに全国20都道府県にまたがる自治体から51件の被害届が提出済み。うち東京、神奈川、山口、愛媛の4都県で12件の刑事告訴が受理されています」

 一連の街路樹問題で「初の逮捕者」となった蒲原容疑者だが、注目すべきは当時の立場という。

「川崎店で伐採が行われた22年当時、蒲原容疑者は本社勤務だっただけでなく、社内で唯一の環境整備推進委員を務めていました。ビッグモーターでは各店舗の清掃状況などをチェックする『環境整備点検』と呼ばれる、経営幹部による定期的な視察が行われていましたが、蒲原容疑者はその“お目付け役”の地位にあり、伐採を店舗側に指示する権限を有していたとされます。今回の逮捕によって、警察当局が一連の伐採問題を“本社の指示による組織的な犯行”と位置付けたと見られています」(同)

あだ名は「環境整備大臣」

 かねてから全国規模で行われた伐採と、前述の「環境整備点検」の関係が指摘されてきたが、その陣頭指揮を執っていたのが同社創業者で前社長・兼重宏之氏(72)の長男である宏一・前副社長(35)とされる。社内では「ジュニア」や「ロイヤルファミリーの将軍様」などと呼ばれていた宏一氏と蒲原容疑者の関係について、ビッグモーター関係者がこう語る。

「蒲原容疑者は社内でも古株として知られ、あだ名は『環境整備大臣』。一時は取締役も務めるなど、ジュニアの“取り巻きの一人”だったと聞いています。実際、ジュニアに嫌われていれば、本社勤務も環境整備推進委員に就くのもムリだったはずで、ジュニアに連なる幹部の一人だったとの認識です」

 ビッグモーターの会社謄本を確認すると、蒲原容疑者と同姓同名の人物が2022年2月から5月のわずか4カ月間ながら、取締役に名を連ねていたことが確認できた(ビッグモーターに事実確認を求めたが、「捜査中」を理由に「回答は控える」とした)。

 最初の逮捕者が蒲原容疑者だった点について、警察当局の「思惑」を指摘する声が浮上するとともに、宏一氏と環境整備点検の関わりについても改めて注目が集まっている。

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