琴ノ若の大関昇進「一発で決めたのはすばらしい」 音羽山親方が見た初場所、照ノ富士の復活は「予想できなかった」

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「諦めない」という精神を教えてくれた錣山親方

――さて、ご自身は昨年12月に陸奥部屋から独立し、鶴竜親方から音羽山親方となりました。新たに音羽山部屋を創設して、相撲部屋の師匠となった感想はいかがですか?

音羽山:じつはまだ、「音羽山部屋」の看板ができていないんですよ(笑)。いろいろとやることが多い毎日ですが、充実しています。初場所の千秋楽には、後援会の方を招いて、打ち上げパーティーをおこなうこともできました。全国にスカウトに行って、音羽山部屋の力士を増やしていきたいと思っています。

――夢が広がりますね! そして、昨年の同じ月には、かつての兄弟弟子だった錣山親方(元関脇・寺尾)が急逝するという悲しい出来事もありました。

音羽山:01年11月、私が井筒部屋に入門した時、錣山親方は現役で相撲を取られていました。思い出がいっぱいあって、ふとした時に親方のことを思い出すと、胸が詰まる思いです。なにより私に、「諦めない」という精神を教えてくれた方です。思い出は心の中に仕舞って、志半ばで亡くなった親方のためにも、これからの大相撲を盛り上げていきたいと思っています。

武田葉月
ノンフィクションライター。山形県山形市出身、清泉女子大学文学部卒業。出版社勤務を経て、現職へ。大相撲、アマチュア相撲、世界相撲など、おもに相撲の世界を中心に取材、執筆中。著書に、『横綱』『ドルジ 横綱朝青龍の素顔』(以上、講談社)、『インタビュー ザ・大関』『寺尾常史』『大相撲 想い出の名力士』(以上、双葉社)などがある。

デイリー新潮編集部

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