琴ノ若の大関昇進「一発で決めたのはすばらしい」 音羽山親方が見た初場所、照ノ富士の復活は「予想できなかった」

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本当に楽しみな存在、琴ノ若

――優勝決定戦では敗れましたが、琴ノ若関が堂々の13勝で大関に昇進。昨年九州場所後に、親方が「大関に一番近いのは琴ノ若」とおっしゃっていましたが、今場所の琴ノ若関をどう見ていらっしゃいましたか?

音羽山:昨年の秋場所で9勝、九州場所で11勝。大関昇進の基準としては、3場所で33勝以上というものがありますから、13勝以上の白星が必要です。照ノ富士が出場したこともあって、13勝というノルマは厳しいかな? でも、しっかりと足場固めはしてほしい……と思っていました。一発で決めたのは、すばらしいことです。

 琴ノ若は幕内に上がってきた頃から、落ち着いた態度で相撲を取っていた力士。ここ1年は三役に定着して、もともとの体の柔らかさに加えて、力強さが備わってきました。しかも、相撲が巧くて、対応力があります。

 祖父が横綱(琴櫻)、父が関脇(初代・琴ノ若=佐渡ヶ嶽親方)という相撲一家の生まれですが、浮かれたところがなく、コツコツと努力してきました。

――1月31日の大関昇進伝達式では、「大関の名に恥じぬよう、感謝の気持ちを持って、相撲道に昇進します」と意欲を表しました。 そして、26歳という若さも魅力ですね。

音羽山:ええ。偶然ですけど、私が大関に昇進したのも、26歳の時なんです。26歳くらいの時は、一番力が出る時ですし、彼は日々成長していますから、本当に楽しみな存在です。

霧島は相撲を大事に取ってしまった

――先場所は2度目の優勝。初場所で「綱取り」がかかっていた大関・霧島関は、11勝4敗で、出直しの場所となりました。

音羽山:昨年12月まで、霧島と同じ陸奥部屋所属でしたから、非常に残念ですね。8日目、前頭・翔猿に敗れてから、霧島は「もうここから負けられない」というプレッシャーで、相撲を大事に取ってしまったのがよくなかった。「綱取り」は振り出しに戻ってしまいましたが、今回はいい勉強になったと思います。

――そして、親方も期待をかけている、新入幕の大の里。11勝を挙げて、敢闘賞を受賞する大活躍を見せました。

音羽山:彼は体もすばらしいし(身長192センチ、体重183キロ)、かなり活躍するだろうな……とは思っていました。新入幕ながら優勝争いにからんで、12日目には結びで横綱戦まで組まれた。最後は、番付が最上位の照ノ富士が場所を締めてくれましたが、末恐ろしい存在であることは事実です。

 今年、さらにブレイクして、11月の九州場所が終わった頃には、三役に定着。それ以上の地位を狙えるところにいるのではないでしょうか?

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