伊東純也「性加害で刑事告訴」で本人も認めている「ホテルでの行為」 争点は「同意の有無」に
「自発的について行ったわけではない」
代表戦の後、Aさん、Bさん、社長の3人は、X氏に呼び出される形で、大阪・西区の飲食店を訪れた。そこには、伊東純也や同じく日本代表の前田大然、浅野拓磨らがいたという。
彼女たちによれば、その店での滞在時間は1時間程度で、
「飲み会はまだ続いていたのですがXさんが“そろそろ行こうか”と言い出して、店の外に出ました」(Bさん)
伊東、Aさん、Bさん、X氏の4名はX氏が用意したレンタカーに乗り込んだという。AさんとBさんはX氏から「人目につくから、早く車に乗り込んで」とせかされて乗車。一方で事務所社長はX氏に「大丈夫だから」と乗車を拒絶されてしまう。
つまりここで社長は二人の女性から切り離されてしまったことになる。
社長の不在に気付き、不安になったAさんが車内から社長に電話を掛けようとしたが、
「Xさんから“事務所の社長には連絡してあるから大丈夫”と止められたんです。車内で“どこに行くんだろう、どこかのバーかな”と考えていたら、伊東さんが誰かと電話を始めて“今から女の子たちとホテルで飲むから”と言っているのが聞こえました。
今思えば、電話の相手は伊東さんの専属トレーナーの男性(47)だったのでしょう。いずれにしても、私たちはホテルに誘われて自発的について行ったわけではありません」(同)
しばらくして、4名を乗せた車が滑り込んだ先がリーガロイヤルホテルの駐車場である。伊東はAさんらとスーペリアフロアの部屋に入るのを避けたといい、
「先に私たちがXさんとホテルの宿泊階に上がって、いったん、Xさんが泊まっている方の部屋に入りました」(同)
ほどなくして、二人がX氏に伴われながら隣の部屋に入ると、そこには伊東の姿があったという。
二人の女性が訴える「おぞましい性被害」の実態については後編で触れるが、そこで彼女らは意識が混濁した状態で、伊東及び、伊東の専属トレーナーからの性加害を受けたと証言している。
「同意はあった」として示談を求める
Aさんは昨年9月以降、伊東側に謝罪を求め続け、11月に入ってからは弁護士を通じて話し合ってきた。対する伊東側は、女性との間に性的同意があったと主張し、金銭による示談を提示するとともに、示談が成立した場合の条件に「口外禁止条項」を盛り込むよう女性に迫ったという。反省や誠意が感じられない姿勢に対し、Aさんともう一人、その場にいた女性Bさんの二人は共同で24年1月18日、伊東の刑事告訴に踏み切ったのだ――。すでに警察は告訴状を受理し、大阪府警天満署が担当となっている。
だがしかし、あまりに辛い経験は、Bさんの心に深い傷を与えた。
「去年の夏頃から過呼吸になる頻度が増えて、あの日の光景がフラッシュバックすることも。昨年11月に心療内科を受診しました」(Bさん)
診断の結果は〈心的外傷後ストレス障害〉(PTSD)。〈令和5年6月に発生した性被害に起因するものと思われる〉として治療を必要とする状態だというが、
「Aちゃんが刑事告訴するなら、私も一緒に声を上げようと決意しました」(同)
AさんとBさんは共同で伊東とその専属トレーナーを刑事告訴している。また本件の告訴状は警視庁管内で受理されたが、警視庁が大阪府警と協議した結果、現場となったホテルの住所地を管轄する天満署が担当することになった。
社長が苦渋の表情で話す。
「彼女たちをこんなひどい目に遭わせてしまい、申し訳なく、後悔しています。そのためXさんとは決別する覚悟で昨年9月以降、伊東らの謝罪を求めてきました」
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