「松本人志」の沈黙で身動き取れない後輩芸人たち “同情論”を伝えた情報バラエティ番組の新しい論点とは

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「松本さんが『みんな悪くないよ』と…」

 同じ日のフジテレビ「ワイドナショー」でも、吉本興業が態度を一変させた背景には週刊文春の続報があった、という弁護士の見立てを放送していた。その後、やはり松本さんの会合に関与したと報道された後輩芸人に同情の声があった。

(MCの東野幸治さん)
「その会を開いた後輩芸人も苦しい立場にある…」

(コメンテーターの田村淳さん)
「(後輩芸人は自分で)裁判もできずに声を上げることもできずに、仕事だけ失うっていう人たちがいるじゃないですか、そこをなんとかしてあげたいなと思いますけど」

(コメンテーターの泉谷しげるさん)
「そこだったら(松本人志さんが)男気を見せてね、『みんな悪くないよ』と言ってほしいな…」

 泉谷さんは、松本さんが提訴する一方で、記者会見などを開かず沈黙し、説明を行わないことが問題だ、という見方を示した。もちろん、今の段階では週刊文春の記事が事実だったのかどうかを誰も判断できない。しかしながら、後輩芸人たちが巻き込まれて仕事を失っている以上は、面倒見がよいとされた松本さんが「彼らは悪くない」という説明はしてあげてもいいのではないか、という提案である。

サンジャポ 太田さんの提言

 TBS「サンデー・ジャポン」でも、MCの太田光さんが後輩芸人たちを気遣う発言をしていた。

 太田さんは、松本さん自身が文藝春秋に対しファイティングポーズを取っているし、これまでサバイブした人なので心配はないとした上で「いま心配なのはあそこ(文春記事)に出てくる他の芸人たちがいまどうしていいんだかわからない状態に追い込まれているんじゃないか」と述べた。

 そして後輩芸人たちに諭すように語り出した。

「ただ『松本さんに迷惑がかかる』みたいなことを今もなお考えているんだとしたら、それは今はその局面じゃないよ。大げさに言うと『生きるか死ぬかだよ、お前ら』。で、自分を守るのは自分しかいないわけだから、やっぱりそれは、そこを考えるんじゃなくて、自分がどうしたいかは自分で決めるべきだと思う。この証言をしちゃったら、もしかしたら(松本さんに)迷惑がかかるかもというようなことを考えているのだとしたら、そこは考えるべきではなくて、自分のことだけを考えるべきだと思う。(中略)災害の時に自分を助けてほしい、自分が助かりたいと意思表示しないと、周りが助けようと思っていても助けられない。だからその辺はあそこ(文春記事)に出ている他の芸人たちも、松本さんは大丈夫ですよ。自分で闘うんだから。だけど、彼らが今までの流れからすると、松本さんに不利になるんじゃないかみたいなことを考えるかもしれないけど、今は自分を守ることを考えてほしい」

 太田さんが言いたかったのは、大御所であり、仮に仕事がなくなっても生活はできる松本さんとは立場が異なるのだから、たとえ裁判で松本さんに不利になったとしても自分を守ることを考えて行動すべきだ、ということだろう。 場合によっては、松本さんに不利な証言になったとしても、自分の身を守ることを優先しろ、というメッセージ。大物芸人に後輩芸人が逆らうことはできない、芸人の世界を知り尽くす存在ゆえの強い提言だった。

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