バーレーン戦で失点したGK「鈴木彩艶」のパンチングは疑問 日本代表なら年齢や経験不足を言い訳にはできない
AFCアジアカップカタール2023はラウンド16最終日の1月31日、日本対バーレーン、イラン対シリアの2試合が行われた。日本はバーレーンを3-1で退け、1992年の初優勝から9大会連続してベスト8に進出した。19時キックオフのもう1試合は1-1のまま延長戦でも決着がつかず、PK戦はイランが5-3でシリアに競り勝った。
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日本は2月3日の準々決勝でベスト4進出をかけて強敵イランと対戦する。ただ、シリア戦でイランのトップ下でありセカンドストライカーのMFメフディ・タレミがイエローカード2枚で退場処分を受けたため、日本戦には出場できなくなったのは朗報と言える。
日本対バーレーン戦は両チームともスローモーな試合への入り方だった。グループリーグの頃に比べて気温26度と上昇しているせいもあるが、「負ければジ・エンド」の決勝トーナメントでは前日のサウジアラビア対韓国戦もそうだったように、試合の進め方も慎重にならざるを得ない。なぜなら90分で決着がつかなければ、延長戦、さらにはPK戦も控えているからだ。
グループリーグでのイラクのように、立ち上がりからハイプレッシャーで強度の高い戦いを挑むリスクは冒せない。このためスリリングなシーンや意外性に富んだプレーはほとんどなかったが、これが真剣勝負の試合展開でもある。
そんな試合で日本は前半31分に右SB毎熊晟矢のロングシュートのリバウンドを拾ったMF堂安律が今大会初ゴールで先制する。「相手は守備ブロックを作っているのでミドルも積極的に狙っていこうと話した」とは試合後の森保一監督のコメントだが、狙い通りの展開から日本は先制点をモノにした。
再びセットプレーから失点
実のところ立ち上がりの日本は、12分にボランチの旗手怜央が、29分にはMF中村敬斗がタテパスを引っ掛けられてFWアブドゥラ・ユスフとMFアリ・マダンに危険なシュートを許している。いずれもGK鈴木彩艶が好セーブで防いだが、そんな嫌な流れを断ち切る堂安のゴールだった。
後半も日本の攻勢は変わらず、ボールを支配してバーレーン・ゴールに迫り、4分にはMF久保建英も今大会初ゴールでリードを広げた。バーレーン選手のクリアが左サイドにこぼれると、フリーの久保は落ち着いてゴール右スミに流し込む。一度はオフサイドの判定が下されたものの、VAR(ビデオアシスタントレフェリー)とOFR(オンフィールドレビュー)の結果、久保の得点が認められたのだった。
ここでもう1点を取れば、バーレーンの戦意はほぼ消失したことだろう。しかし17分にFW上田綺世のダイアゴナルランから素早くつないで中村がゴールネットを揺らしたものの、これは上田のオフサイドで取り消される。そして19分、日本はまたもセットプレーから失点した。
バーレーンの左CK、キッカーのMFカミル・アル・アスワドのクロスをファーサイドでCBサイド・バケルがヘディングシュート。これをGK鈴木は上方にパンチングし、自陣ゴール方向へ流れたボールをキャッチしようとジャンプしたところ、FW上田と交錯して上田の頭に当たったボールが日本ゴールに飛び込んでしまう。記録はOG(オウンゴール)でバーレーンが1点を返し、ゴール裏に陣取ったサポーターもにわかに活気づいた。
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