「岸田vs麻生」の権力闘争が激化 岸田総理に残された「起死回生の一手」とは

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事前に捜査情報を

 下村博文元文科相(69)、松野博一前官房長官(61)、西村康稔前経産相(61)、高木毅前国対委員長(68)ら四名の事務総長経験者と座長の塩谷立元文科相(73)らについては、会計責任者との具体的な共謀を立証できないとして「立件見送り」という判断に。一方で、

「宏池会(岸田派・46名)の佐々木和男元会計責任者(80)が、20年までの3年間で約3千万円のパーティー収入等を派閥の政治資金収支報告書に収入として記載していなかったとして、政治資金規正法違反の虚偽記載の罪に問われ、略式起訴されています」(前出・社会部デスク)

 これまで立件対象は清和会及び志帥会に限られるとみられてきたため、こうした特捜部の動きは世間一般の知るところではなかった。もっとも、一国の宰相ともなれば事情は異なる。

「岸田総理は事前に、清和会や志帥会と同時に自派閥の宏池会も立件されるとの捜査情報をつかんでいました。そこで立件前日の18日午後、宏池会座長の林芳正官房長官(63)をはじめ、小野寺五典元防衛相(63)ら派閥幹部を首相官邸に招き“攻めの意味で宏池会を解散しよう”と持ち掛けて了承を取り付けたのです」(政治部デスク)

 宏池会の元会計責任者が立件されれば、岸田総理の会長時代の責任を問う声が上がるのは火を見るよりも明らかである。その批判をかわす目的で、宏池会の解散を決めたというのだ。

“どういう了見だ”と突き放した麻生副総裁

 長年宏池会に所属し岸田総理を支えた三ツ矢憲生元衆議院議員(73)も、

「そもそも、岸田さんは昨年12月に派閥を離脱しているはずです。どういう資格で宏池会の解散を宣言したのでしょうか。総裁の立場で自民党全体を考えて発言したというならば、政治刷新本部の場で全派閥の解消を訴えるべきです。ですが、このタイミングで“他の派閥は知りません。宏池会だけ解散します”というのは自分の延命しか考えていないように見えます」

 そう苦言を呈するのだが、さしもの麻生副総裁も岸田総理のこの想定外の行動には度肝を抜かれたようで、

「“派閥解散宣言”から1時間後、麻生副総裁が岸田総理の携帯を鳴らして“報道で知った。これはなんだ。自分たちは自分たちで考えるぞ”と岸田総理に告げたといわれています」

 とは先の政治部デスク。

「二人は19日午後に党本部でも40分間、会談しています。その際、岸田総理は“事前に連絡なく申し訳ない”と陳謝したものの、麻生副総裁は“一番大事な時になんの相談もないとはどういう了見だ”と突き放したという話です。麻生副総裁は志公会(麻生派・56人)を存続させる方針。茂木敏充幹事長(68)の平成研究会(茂木派・53人)も、それに足並みをそろえています」

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