追悼「山根明会長」 メディアの袋叩きに遭った「歴史の男」が、一度だけ“涙”をこぼした理由 知られざる「山根おろし」の真相とは(スポーツライター・小林信也)

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やりきれない思い

 日本ボクシング連盟「第12代会長」山根明氏が1月31日午前3時35分、大阪市内の病院で亡くなった。死因は腎盂癌が肺に転移したためと家族は医師から説明を受けたという。腎盂癌が見つかったのは昨年12月、その時点で末期(ステージ4のさらに悪い状態)と診断され、療養していた。

 逝去の報に接し、私は、どうしようもない悔しさ、やりきれない思いに揺れている。

 山根会長は(注 ずっとそう呼んでいたのであえてこう書かせてもらう)、2018年に起こった〈日本ボクシング連盟の告発騒動〉で渦中の人となり、テレビ、新聞、雑誌など各メディアが一斉に報じた社会問題の主役だ。...

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