阿部慎之助監督に球団創設90周年の重圧…新構想で判明した“ベテラン2人”の微妙な立場

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菅野を中継ぎに転向?

 外野のレギュラー争いについて、阿部監督はレフト、センター、ライトの全てを「白紙」としている。「一塁・岡本和真(27)、三塁・坂本勇人(35)、遊撃・門脇誠(23)」のスタメンを確約した内野陣とは対照的だが、こんな情報も聞かれた。

「菅野智之(34)は、先発候補には入っていますが、阿部監督はクローザーの大勢(24)が万全ではなかった場合を想定し、菅野の救援転向も視野に入れています。『現役生活のなかでリリーフも経験しておいたほうが』という言い方ですが」(球団関係者)

 先発ローテーション入りが確実なのは戸郷、来日2年目のグリフィン(28)、メンデス(29)、2ケタ勝利を達成した山崎伊織(25)の4人。ここに昨季後半戦で調子を上げてきた赤星優志(24)、左腕・横川凱(23)も加わり、昨秋の台湾ウインターリーグで好投した井上温大(22)、直江大輔(23)、堀田賢慎(22)も入ってくる。

「ルーキーの西舘勇陽(21=中央大)、森田駿哉(26=Honda鈴鹿)も最終的には先発枠に入ってくるでしょう。5位の又木鉄平(24=日本生命)も、ドラフト後の全日本選手権で先発し、6回無安打無失点とアピールしていました。ただ、阿部監督は若手や新人投手に関しては、たとえファームで好投しても一軍でいきなり先発させないと言っています。23年シーズン、イースタンで7勝0敗、防御率0.74という好成績ながら1軍では0勝1敗、防御率10.95となった井上や、開幕1軍入りした直江が満足な結果を出せなかった原辰徳前監督(65)の失敗を見ているからです。新人や若手投手にチャンスを与えていくつもり」(前出・同)

 ところで、菅野の地位が安泰でないのは、若手を優先させるという阿部構想だけが理由ではないようだ。

「菅野が先発すると、4回くらいから目に見えて球速が落ちてくるんです。そう捉えているのは、ウチの球団だけではないと思いますよ」

 これは、セ・リーグのライバル球団スタッフから出た言葉である。年齢的なものもあったのだろう。試合中盤での失速は、阿部監督も感じ取っていたはずなので、リリーフ転向案は衰えをカバーするためかもしれない。何より、先発として多くの経験を積んでいる投手である。「菅野がセットアッパーで控えているなら、それだけでも怖い」とのライバル球団関係者の意見も聞かれたが、「菅野自身、先発へのこだわりが強いので、転向は受け入れないのでは?」との声もあった。

「阿部監督の使命は優勝、日本一です。若手の育成も大事ですが、球団創設90周年をBクラスで終わることになったら、一大事です。鬼の采配に徹することは十分にあり得ます」(前出・スポーツ紙記者)

 菅野が先発で勝てない時期が続けば、容赦しないだろう。

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