冤罪事件で検察と警察に1億6000万円の支払い命令も…亡くなった大川原化工機元幹部夫人の告白「控訴するなんて思わなかった。がっかりです」

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 2020年3月、大川原化工機株式会社(本社・神奈川県横浜市)の大川原正明社長(74)ら3人が「生物兵器の製造に転用できる工作機械を無許可で輸出した」という外為法(外国為替及び外国貿易法)違反の容疑で警視庁公安部に逮捕され、裁判の直前に起訴が取り消された冤罪事件。勾留中にがんが悪化して亡くなった相嶋静夫さん(享年72)の妻が、夫の無念を語った。(前後編の前編)【粟野仁雄/ジャーナリスト】

 大川原社長と元役員の島田順司さん(70)、勾留された7カ月の間に体調を崩し胃がんが原因で死去した相嶋さんの遺族は、国(検察庁)と東京都(警視庁)に約5億6000万円の損害賠償を求め、21年9月に提訴した。...

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