加齢臭の100倍臭う「ミドル脂臭」の防ぎ方は? 中高年男性のためのスキンケア入門
「加齢による老化」は実は2割
健康維持に必要なビタミンDが皮膚で作り出されるため、太陽光を適度に浴びることは欠かせません。ただ、私たちが生きる上で必要な量のビタミンDを作り出すのには、地域や季節にもよりますが、おおむね5分から10分程度で十分だといわれています。その時間を超えて無防備に太陽光線を浴び続けると、肌に「光老化」という現象を引き起こしてしまうのです。
肌の老化には、この「光老化」と「加齢による老化」がありますが、その内訳は「光老化」がなんと8割。「加齢による老化」は2割程度に過ぎません。
たとえば「シミ」は、医学的に言えば皮膚表面に現れた色素沈着です。太陽光線に含まれる紫外線の影響で、メラニン色素を作るメラノサイトという皮膚の細胞が活性化。これによりメラニンが過剰に生成されることで、色素沈着が起こります。
通常、過剰なメラニンは、代謝による皮膚の生まれ変わり(ターンオーバー)で不要な角質が剥がれ落ちるのと一緒に皮膚の外へ排出されます。この皮膚のメラニン排出機能が円滑に作用しなくなったり、ターンオーバーが追い付かなくなったりしてしまうと、シミになって残るのです。
保湿ケアでは予防・改善できない
また、「しわ」や「たるみ」も、紫外線の影響を強く受けています。
「しわ」は皮膚表面の乾燥に起因する表皮性のしわと、光老化の症状である真皮性のしわに大別されます。前者は角層の水分が失われ、キメが乱れることでできる浅い小じわであり、乾燥や紫外線対策を行うことで真皮性のしわへの移行を防ぐことができます。一方、真皮性のしわは、紫外線の影響で真皮に変化が起こり、その結果、肌のハリと弾力が失われてできる深いしわ。残念ながら、保湿ケアでは進行を食い止めることができません。
「たるみ」もしわのメカニズムと似ていて、自然老化と光老化が重なり真皮の線維が減少することで起こります。目の下のふくらみや深いほうれい線もたるみの一症状であり、こちらも保湿ケアなどでは予防・改善できません。
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