84歳「二階俊博」元幹事長は裏金・派閥解体の責任で、本来なら次の選挙は不出馬…世襲を目論むもそう簡単にはいかない事情が

国内 政治

  • ブックマーク

「世襲は許さない」

 ところが、「二階さんが世襲を決断したら、それは絶対に許さない」との姿勢を明確にしている政治家がいるという。和歌山県の選挙事情に詳しい関係者が明かす。

「世襲に黙っていないのは、自民党の前参院幹事長・世耕弘成さん(61)です。世耕さんは以前から衆院に鞍替えしようと動いており、月刊誌『Hanada』の今年2月号に掲載されたインタビュー記事でも『いずれは国の舵取りをやってみたいなとは思っています。それだけの経験を積んできた自負もある』と、首相を目指す考えを明らかにしています。世耕さんの祖父・世耕弘一氏は新宮市出身で、1932年に衆議院議員に初当選しました。世耕さんも新宮市に現住所を置いていると言われており、その新宮市は新2区に該当します。つまり、世耕さんは二階さんの“ライバル”なのです」

 とはいえ、すでに二階氏は新2区の支部長=立候補予定者だ。さすがの世耕氏も、これには逆らえない。そんな状況で、もし二階氏が引退を発表したらどうなるか。関係者によると「ややこしいこと」が起きるという。

「二階さんが引退を表明したら、支部長の座は空席になります。その時、本当に支部長の座を三男が受け継ぐのか、実際のところは分かりません。当然、世耕さんが手を挙げる可能性があり、そうなると三男と世耕さんとの間で支部長の座を巡って揉めることになるでしょう」(同・関係者)

塩谷立氏は引退濃厚

 今回の裏金事件で、世耕氏の評判は地に墜ちた印象がある。1542万円の収支報告書への不記載が明らかになっており、これだけでも大問題だ。

 さらに、釈明会見では「秘書が先輩から『一切記載しなくていい』と説明を受け、そう対応していた。自分は何も知らない」と説明した。当然ながら識者も有権者も「秘書への責任転嫁があまりにもひどすぎる」と猛反発している。

「とはいえ、二階さんの世襲を容認してしまえば、今後、世耕さんの衆院への鞍替えは厳しいものになります。仮に世耕さんが無所属で二階さんの三男と戦うことになれば、それこそ前代未聞です。いずれにせよ、総選挙まで二階さんと世耕さんの睨み合いは続き、自民党は難しい判断を迫られることになります。ちなみに、安倍派(清和政策研究会)のトップ、塩谷立さんは引退が確実のようです。今回の責任を取って引退すると言われています。二階さんとはだいぶ事情が違いますね」(同・関係者)

註:「二階さんがいなければ高速道路はない」強制捜査受けても地元・和歌山は支持の声も 現職国会議員で最高齢84歳「二階俊博氏」のこれまで(MBS NEWS:2023年12月20日)

デイリー新潮編集部

2024年1月30日掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。