「旧・岸田派は総裁選では岸田首相支持と決めている」というジョークのようなホントの話

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旧・岸田派の動き

「解消が決まった岸田派では、“仮に総裁選に首相が出馬するなら、これまで支えてきた岸田派のメンバーで支えていくことが決まっている”と聞きました。表立ってそのように表明することはないでしょうが、再選に向けて具体的に動いている面々が旧・岸田派ばかりならこれまたツッコまれるのは必至でしょう。これらツッコミに対して納得の行く説明をするのはとても難しい」(同)

 そもそも「派閥解消」が国民の不満や不信の解消策としては微妙にズレている、という点に問題がありそうだ。捜査の限界が露呈し、国民が不満を抱いたのは、例えば、「会計責任者が訴追される一方で国会議員本人に累が及ばない」点ではなかったか。

「連座制が導入されないなら、政治資金規正法はザル法のままだと国民も呆れている印象がありますね。一方で、派閥解消について国民はいまいちピンと来ておらず、“どうせ仲良し同士はつるむんでしょ”といった冷めた見方をしている感じです。まぁ、実際そうなりそうなのですが(笑)、内閣支持率が上がって行かないのはそういった国民の意識とのギャップもあるはずです」(同)

出馬断念シナリオ

 とはいえ、派閥を解消させたことで、これまではあまり聞こえてこなかった中堅・若手の声がそれなりに力を持ってくるという事態も想定される。

「派閥のグリップがきかなくなります。反面、地元の声をリアルに語る国会議員はまさに“映える”のでメディアもそれなりに取り上げる機会が増えてくるしょう。“派閥を解消したとはいえこれまでと変わらない集団が支持している人”vs“国民の声をしっかり届けようとしている中堅・若手”といった構図を作られてしまうと首相としては厄介でしょう。その場合、岸田首相は完全に旧時代の政治家の象徴にされますから」(同)

 岸田首相は、これまで以上に各方面へのきめ細かな目配り、丁寧な対応が求められる、ということになるだろうか。まさに「聞く力」の見せ所と言えなくもないが、自らが生み出した、派閥をめぐる「論理的な説明が困難な状況」を解消できなければ、「岸田おろし」が吹きかねず、総裁選への出馬断念に追い込まれる可能性も十分にありそうだ。

 世の中の常識とずいぶん離れた実態については、【関連記事】〈官邸にいるのにわざわざ防災服を着ていた岸田首相 新年会でもそのまま挨拶…かつて「わざとらしい」と言って防災服を拒否した首相がいた〉にも詳しい。

デイリー新潮編集部

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