歴代特捜部長が参拝する埼玉・高麗神社のご利益のナゾ 宮司が語った「裏金問題」への思いとは

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 自民党の裏金事件は清和会(安倍派)の池田佳隆代議士が逮捕されたほか、検察による広範な捜査が展開された。その着手の数カ月前、ある検察官の姿が埼玉県日高市の高麗神社にあった。最高検察庁の森本宏刑事部長(当時は東京地検次席検事)である。森本氏は伊藤文規・東京地検特捜部長とコンビを組んで今回の捜査の指揮を執っている。

 高麗神社はその名の通り朝鮮と縁のある神社だ。この一帯は8世紀、朝鮮半島の内乱から逃れてきた高句麗の人たち約1800人が住みついた土地で、彼らの「長」となった若光(じゃっこう)の霊を祭ったのが同神社である。正月に訪れてみると境内には屋台が並び、親子連れやカップルがひっきりなしにやってくる。

「そうそうたる幹部が祈願に」

 やっぱり、検察とは何の関係もなさそうな雰囲気なのだが、ここに参拝にやってきた検察幹部は森本氏だけではない。

「古くは日通事件で国会議員の起訴に踏み切った伝説の検事・河井信太郎氏やロッキード事件を指揮した吉永祐介氏、リクルート事件の松田昇氏、そして撚糸工連事件を担当した山口悠介氏に東京佐川急便事件の五十嵐紀男氏とそうそうたる幹部が祈願に来ており、芳名録や芳名板に名前が残っています」(司法記者)

 どんな縁があるのか、同神社の高麗文康宮司に聞いてみる。

「その昔、河井さんが参拝に来たことが始まりだと思います。以前は特捜部長が大勢の検事さんを引き連れてくることもあって、その時代の部下から、さらに部下へと引き継がれているのでしょう。しかし、最初にやって来た河井さんと高麗神社との関係は分からない。もっとも今では大勢でやって来ることはなく、検察官が来ても私たちは気が付きません」

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