メジャー178本塁打の巨人・新外国人「オドーア」に、専門家は「日本野球と最も合わない選手」 “フリースインガー”を含む4つの不安要素
性格と守備も心配材料
昨シーズンのセ・リーグで最も三振が多かった打者は、1位がヤクルトの村上宗隆(23)で168、2位が中日の細川成也(25)で161、3位が阪神の佐藤輝明(24)で139だ。
オドーアのキャリアワーストの三振数は2019年の178。昨シーズンのセ・リーグのワーストを超える。そこに出塁率のデータを重ね合わせると興味深いことが分かる。
先の3人の昨シーズンの出塁率は、村上が3割7分5厘、細川が3割2分6厘、佐藤が3割3分9厘と、三振数ワースト3とは対照的に出塁は多い。
一方、オドーアの19年の出塁率は2割8分3厘。ここ3シーズンも、2割8分6厘、2割7分5厘、2割9分9厘。3割台がゼロと芳しくない。
「性格も不安要素です。ブルージェイズ戦での乱闘の動画は、ネット上で拡散されています。改めてチェックすると、一塁ランナーを突き飛ばし、互いの距離を確保してから踏み込んで強烈なパンチを食らわせています。ケンカ慣れしているのは明らかで、何度も修羅場をくぐっているのでしょう。彼ほどの強打者だと、ピッチャーはインコースを厳しく攻めます。死球を食らうこともあり、その際には逆上していることも珍しくありません。あれだけ短気だと、日本でもトラブルを起こさないか心配です」(同・友成氏)
守備も難があるという。巨人は外野手での登録を発表したが、MLBではセカンドが定位置で、外野を守った経験は昨シーズンの9試合しかない。
「身体能力は抜群ですから、セカンドで物凄いファインプレーを見せたことは何度もあります。ところが、エラーも多い。それもサインプレーといった複雑な場面でミスをするのではなく、普通の打球なのに処理を誤ったりします。巨人が外野手として登録したからといって、オドーアは内外野のどこでも守れる、いわゆるユーティリティープレイヤーというタイプではありません。多分、セカンドの守備が不安なので、外野にコンバートしたのではないでしょうか」(同・友成氏)
ポテンシャルは充分
オドーアは2017年、レンジャーズと6年総額4950万ドル、当時の為替レートで約55億3400万円、現在のレートだと73億円の契約を結んでいる。これも巨人でのプレーに影響を与えるかもしれないという。
「55億円ですから、ちょっとやそっとの散財でなくなるような金額ではありません。オドーア選手は金持ちなのです。今年、MLBの契約更改は、異常なほどが進んでいません。腕利きの代理人と契約を結んでいても、行き先が決まっていない大物選手が少なくありません。多分、オドーア選手は、MLBでの契約がなかなか決まらないことに痺れを切らし、巨人のオファーを快諾したのでしょう。ですから、彼にハングリー精神はありません。日本で活躍しなければメシが食えないという選手ではないのです」(同・友成氏)
とはいえ、10年間もMLBで活躍してきた選手だ。友成氏も「ポテンシャルは充分にあります」と言う。
「良くも悪くも、中南米出身の選手に特有の魅力をふんだんに持っています。バットに当たれば惚れ惚れするようなホームランを放ちます。当たらなければ三振です。守備でも見事なファインプレーを見せたかと思えば、とんでもないポカを披露します。オドーア選手も最初は日本野球に適応しようと努力するでしょう。しかし、結局はどんどん地金が出るのではないでしょうか。その際、巨人ファンがどれだけオドーアの選手の魅力を理解し、どれだけ応援を続けるかがポイントになると思います」