「清廉な西行」と「貪欲な清盛」はなぜウマが合ったのか――正反対の二人を結びつけた「知られざる縁」

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 平安末期から鎌倉初期にかけて活躍した歌人・西行(1118~1190)。若くして栄達の道を捨てて出家し、和歌の道を一途に追い求めた清廉で高潔な生き方は、多くの日本人の心を惹きつけている。

 一方、平清盛(1118~1181)は、武力と権謀術数を駆使して、権力と富を貪欲に追い求めた平家の棟梁である。まさに水と油のようなキャラクターの二人だが、じつは深い信頼関係で結ばれていたという。一体それはなぜなのか。

 西行一筋60年、西行歌集研究の第一人者である寺澤行忠・慶應義塾大学名誉教授の新刊『西行 歌と旅と人生』(新潮選書)では、知られざる二人の因縁を解説している。...

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