5歳の時に死にかけ、詐欺事件に巻き込まれ、恐喝事件では1000万円の被害、最後は生活保護に【エスパー伊東の波瀾万丈人生】

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伊東さんにたかる人々

 だが、貯蓄は苦手だったようだ。また、不思議なほど犯罪に巻き込まれることが多かった。まず、2003年に皇族を名乗る男女の詐欺師が結婚披露宴を開き、約400人の出席者から1000万円を超える祝儀を騙し取る事件が発生した。伊東さんも招待され、祝儀として3万円を渡したことをマスコミの取材に明かしている。

 13年には同じマンションに住んでいた男から「今、小突いただろう」などと因縁をつけられ、「警察に届けたら芸能界で仕事ができなくなる」「ネットで暴露する」と脅迫。約2年間にわたって1000万円以上を支払った。男は逮捕されたが、後にパソコンすら使えなかったことが判明した。

 さらに、15年には空き巣の被害に遭い、現金25万円を取られた。また、伊東さんに“たかる”人々もいたようだ。現代ビジネスが1月18日に配信した伊東さんの記事で、筆者のフリージャーナリスト・片岡亮氏は次のように指摘している(註)。

《伊東さんの自宅に出入りしていた金のない芸人仲間のなかには、伊東さんに返すあてのない金を頻繁に借りる人もいたようだ》

《散在して金を使い果たしてしまう話をしていて、「芸人仲間の分まで代金を払うから高くつく」とも言っていた。おそらくは、人の好い伊東さんにタカる連中がかなりいたのだろう》

最後の質問

 2018年の暮れ、伊東さんを病魔が襲う。翌19年1月から「右変形性股関節症」の治療のため芸能活動を休業することになった。この時点で収入はゼロで、貯えも底をついていたようだ。

 冒頭で、伊東さんが19年4月から多発性脳梗塞の投薬治療を開始していたことに触れたが、治療費は捻出できず、生活保護を受けながら高齢者施設で療養していた。事務所が19日に発表した経緯でも、《長期にわたり施設にてリハビリ療養しており、入退院を繰り返しておりました》とある。

 週刊実話の記事が伊東さんにとっては、最初で最後の本格的なインタビュー記事となった。最後の質問は「最後に将来の夢を教えてください」というもので、伊東さんは以下のように答えた。

《過去にアメリカ、韓国、台湾では経験があるんですけど、もっと世界中でショーをしてみたいですね。それだけに、どんどん技を追求していかなければいけないという使命感もある。技を増やすのに命をかけて、ギリギリのところで頑張っているんです》

註:【追悼】老人ホーム生活でみた、エスパー伊東さんの知られざる「寂しがり屋」「気前良すぎ」の素顔(現代ビジネス:1月18日)

デイリー新潮編集部

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