【アジア杯】インドネシアに勝利で”最低限のノルマ”は果たしたものの それでも残る反省点

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3試合連続の失点

 森保監督はその後、次々と選手を交代させ、MF佐野海舟とCB渡辺剛をアジアカップで初めて起用。これでGKの前川黛也と野澤大志ブランドン、ケガでリハビリ中のMF三笘薫以外の23人をピッチに送り込んだ。今大会は「7試合を戦えるタフな力を培ってほしい」という言葉通りの起用法でもある。

 その後、日本は5枚目のカードとして41分に送り込まれたMF伊東純也が2分後に右クロスから上田のシュートを引き出し、CBのオウンゴールで3点目を日本にもたらす。しかし後半アディショナルタイム、この大会の直前まで東京Vに所属していた左SBアルハンのロングスローから、右SBサンディ・ウォルシュがボレーでニアサイドを破って1点を返した。

 前日の会見で冨安は「2試合続けてクリーンシートに抑えられていないので、そこはクリーンシートで終わりたいと思っている」と抱負を語っていたが、3試合連続の失点に森保監督も「守備で最後のところ、パワープレーで失点した。無失点で抑えられなかったことで、次に向かっていきたいと思う」と気を引き締めていた。

貴重な1週間

 3試合連続しての失点は確かに気になるところである。ウォルシュをフリーにしての失点だけにGK鈴木彩艶を責めることはできない。終盤のパワープレーだったため全員がゴール前に戻っていて、かえってマークが混乱したのか。こちらはVTRなどで確認して再整備する必要があるだろう。

 とりあえず、日本はグループリーグ突破という最低限のノルマは果たした。ラウンド16の相手は韓国かヨルダンか現時点ではわからないが、どこが相手でもここから先は勝ち続けるしか優勝できないことに変わりはない。幸い1週間のインターバルがあるため、三笘の復活も期待できる。あとはチームのコンディションが上昇曲線を描くことを待つのみだ。

六川亨(ろくかわ・とおる)
1957年、東京都生まれ。法政大学卒。「サッカーダイジェスト」の記者・編集長としてW杯、EURO、南米選手権などを取材。その後「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。

デイリー新潮編集部

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