【アジア杯】インドネシアに勝利で”最低限のノルマ”は果たしたものの それでも残る反省点

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 インドネシアの基本システムは3-5-2で、守備時は両サイドのSB(ウイングバック)が下がって5バックになる。しかし日本戦では日本のキックオフと同時に5-4-1の超守備的な布陣でスタートした。

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 インドネシアは19日、東南アジアのライバルであるベトナムに1-0の勝利を収めたことで、決勝トーナメント進出の可能性が出てきた。

 同国サッカー協会の会長は日本に勝利したら特別ボーナスという「ニンジン作戦」に出た。だが韓国人のシン・テヨン監督をはじめ選手たちは、2007年に自国で開催して以来となるアジアカップで初のベスト16に進出することを、単に日本戦に勝つことより優先したのは当然のことだった。

 このため日本が先制点を奪っても、前半はひたすら守備を固めた。というのも今大会は各グループの2位に加え、成績上位の3位4チームが決勝トーナメントに進出できるからだ。すでにグループBのシリアとグループCのパレスチナが勝点4でベスト16を決めている。そしてグループAの中国は勝点2止まりで脱落していた。

 残るイスは2つあるが、グループFの3位オマーンは勝点1とはいえ最終戦の相手は2連敗のキルギスのため、勝点を4に伸ばす可能性がある。一方グループEは混戦で、グループDのインドネシアと同じ勝点3の3位マレーシアは、勝点4の2位韓国と激突する。試合前の両チームの得失点差はインドネシアが-1、マレーシアが-3。インドネシアとしては、負けてもできるだけ大量失点を防ぎたいという狙いが日本戦にはあった。

ゴールラッシュへの期待

 一方の日本は、前日の記者会見で森保一監督が「26人の選手が揃っているのでいろんな起用を考えたい」と話していたように、イラク戦のスタメンから8人を代えてきた。とはいえ、どの選手も過去に何度もプレーしたポジションのため、それぞれの役割も決まっていて意思の疎通もスムーズだ。試合開始2分にはFW上田綺世への反則がVARとOFR(オンフィールドレビュー)で確認され、日本はPKから上田が先制ゴールを決めた。

 日本はその後も高いエリアからプレスをかけてはボールを奪い攻勢を仕掛けた。35分には右SB毎熊晟矢のクロスから左MF中村敬斗が右足を強振したが、シュートは左ポストに弾き返され、1-0のリードで前半が終了した。

 後半もインドネシアのシステムが5-4-1で変わらないのは、0-1ならオーケーというスタンスだったからだろう。これに対し日本は7分にCB冨安健洋のフィードからカウンターを仕掛け、最後は上田がこの日2点目となるゴールでリードを広げた。待望の追加点を後半早々に奪っただけに、日本のゴールラッシュが始まるのではないかと期待も高まった。

 実際、10分と17分には右MF堂安律がGKと1対1から狙いすましたグラウンダーのシュートとループを見舞ったが、いずれもゴール枠を外してしまう。そして19分のヘディングシュートもゴールカバーに入った選手にクリアされてしまった。

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