「出家するなんて、許せない」――天才歌人・西行に対して、高名な評論家が言い放った「驚きの評価」

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 西行といえば、『新古今和歌集』に最多の94首が選入された天才歌人。若くして栄達の道を捨てて出家し、和歌の道を一途に追い求めた清廉な生き方は、多くの日本人を惹きつけた。

 西行歌集研究の第一人者で、慶應義塾大学名誉教授の寺澤行忠さんもその一人。高校生の頃から西行に心を寄せ、研究者の道を志してから60年あまり、その魅力を追い続けた。

 しかし、戦後の学界では、唯物史観の影響が強く、西行は必ずしも高く評価される偉人ではなかったという。寺澤さんの新刊『西行 歌と旅と人生』(新潮選書)から一部を再編集してお届けする。...

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