「被災者はこういう気持ちだろう」という思い込みが生み出す「不謹慎狩り」 なぜ世界の紛争には触れないのか(古市憲寿)

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 大きな災害が起こると、決まって自粛を求める声が上がる。華やかな行動は不謹慎であり、イベントなども自粛すべきだというのだ。近年では震災のたびに、SNSに笑顔の写真をアップしただけで不謹慎だと言われたりする。

 2024年は能登半島地震と航空機衝突炎上事故から幕を開けたが、例のごとく自粛論争が盛り上がった。新年一般参賀や経済団体の新年会は実際に中止となった。

 こうした自粛を求める声は、往々にして当事者以外から発信される。震災の一番の犠牲者は命を落とした人だろうが、当然ながら彼らはすでに意見を述べる手段を持たない。...

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