WHOが恐れる「疾病X」の出現 阻止するための有効策とは

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危険の源はどこにあるのか

 危機感を強めるWHOは新種の病原体の発見・分析に力を注いでいるが、「危機の源は自然界ではなく研究所内に存在しているのではないか」と筆者は考えている。

 研究所流出説を支持する研究者の多くが「武漢ウイルス研究所から流出したウイルスは人工的につくられたものだ」と主張しているためだ。

 新型コロナウイルスは塩基配列の一部が極めて特殊だ。この塩基配列について、自然界に存在するウイルスの感染力や毒性を上げるための実験(機能獲得実験)が実施された証左だという指摘がある。

 雲南省の洞窟内で生息するコウモリに潜んでいた新種のコロナウイルスに機能獲得実験を行ったことで、新型コロナウイルスが出現したという可能性が浮かび上がるわけだ。

機能獲得実験は野放図のまま

 新型コロナウイルス感染症のパンデミックを契機に、機能獲得実験の危険性が主張され始めているが、いまだに野放図のままだと言わざるを得ない。

 1月17日付の米タブロイド紙「ニューヨーク・ポスト」は「中国の北京化工大学や南京医科大学などの共同研究チームがセンザンコウ(絶滅危惧種の哺乳類)から発見されたコロナウイルスに実験を施し、致死率100%の新種のコロナウイルスをつくった」と報じた。

 感染したネズミ4匹すべてが死亡したことから極めて危険だとしている。だが、パンデミック初期に流行した武漢型の新型コロナウイルスでも、感染したネズミがすべて死亡したという実験例がある。4匹の死亡だけで危険なウイルスと判断するのは早計だと思う。

 問題は、中国で機能獲得実験が続けられていることだ。

 2022年10月、米ボストン大学や英インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究チームが相次いで「武漢型」と「オミクロン型」を融合させる内容の機能獲得実験を実施したことが問題視されたのにもかかわらずに、である。

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