愛媛・スタバ射殺事件の手配犯「出頭する気はさらさらない」 動機はズタズタにされたプライドか

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祭りでのトラブル

 石川氏は服役後、一旦は前谷若頭のもとに戻ったようだが、その後、6代目山口組との関係を深めていったようだ。6代目側の「移籍報告書」を見る限りでは、2021年2月25日の日付で、功龍會の石川祐一会長代行(石川氏の渡世名)の所属先として、6代目山口組の2次団体・2代目若林組・森組が記載されている。

 2015年8月に山口組が分裂した際、功龍會の上部組織である池田組は神戸山口組側についたり、そこから脱退したり、新たに「神戸・池田」の2社連合を結んだりと、変遷を経て今に至っている。ただ、この間、山口組と対立関係であるという点は一貫している。石川氏は相手側に移籍したことになる。

 前谷若頭と石川氏の親子関係がこじれたのはこれと無縁ではないようだが、決定的な亀裂が走ったのは、2022年10月の伊予三島秋祭り(四国中央市)でのトラブルだったという。

 その祭りで前谷若頭と石川氏との間でケンカのようなことが起き、それを捉えた動画も出回っている。

「当時、石川氏は自身のバックに6代目山口組がいることを吹聴していたとも聞きました。岡山や香川から20人ほど、自身に近い人間を集めてケンカをふっかけたということでした」(同)

出頭する気はさらさらない

 祭りという公衆の面前で元・子分からケンカを売られるというのは、ヤクザの親分として看過し難いことだったのだろう。折に触れて「あいつだけは許せない」と当時のトラブルを振り返っていたとの証言もあるという。

「祭りのあったエリアを仕切っていたのは元々、6代目山口組の3次団体・加地組で、前谷若頭はこの組織に所属していました。加地組の組長が引退した後に地盤を引き継ぎ、功龍會を組織したのが前谷若頭です」(同)

 どんな理由であれ、殺人を正当化することはできないが、自身の地元での揉め事で親分としてのプライドがズタズタにされたということなのかもしれない。前谷若頭は依然として逃走を続けているようだが……。

「“出頭する気はさらさらない”との思いを吐露していたとの情報もありました。逮捕・起訴されれば最低でも無期懲役は不可避ですからね。潜伏生活は何らかのサポートなしには続けられないでしょうから、池田組が捜査当局のターゲットになると見られています」(先の記者)

 結果として、池田組にとって抗争相手である6代目山口組を刺激することになるのだろうか。

デイリー新潮編集部

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