「自分は受注額の1%を納めている」 議員辞職の谷川弥一議員の建設業者からの「上納システム」とは

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地元から告発の声が

 まさに死人に口なしだが、特捜部は派閥から還流を受けた個別議員側にも、捜査を実施している。実際今月7日には、4826万円の還流を受けていた池田佳隆衆議院議員(57)が証拠隠滅の恐れが認められたとして逮捕された。

 大野泰正参議院議員(64)と谷川氏は19日、派閥からパーティー収入の高額なキックバックを受けた事件で立件されたことを受け、自民党を離党した。

 谷川氏の権勢は完全に地に落ちており、地元からも告発の声が相次いでいる。

会費が裏金に

「谷川氏が長崎県に創業した谷川建設は諫早湾干拓をはじめ、あらゆる公共工事を受注してきた。谷川氏はその谷川建設を使って、裏金作りを行っていたのです」

 そう声を潜めて語るのは谷川建設の関係者だ。

「谷川建設の下請け業者で作る『谷建会』という業界団体があります。その数は長崎を中心に九州全体で実に500社ほどに上ります。ここからが問題なのですが、谷川建設は谷建会の業者に下請けの仕事を発注する際、数%を“会費”と称して発注額から中抜きする。そしてその資金は裏金として会の口座にプールされ、長年にわたり、谷川氏の選挙費用などに使われてきたといわれています」

 この点、現在、長崎谷建会に所属している、さる下請け企業も、

「自分の場合は受注額の1%を谷建会に納めています。長崎谷建会だけで毎年、数百万円の会費が集まっているはず。みんな、そうした会費が谷川先生の裏金になっていると薄々は分かっていたのでは」

 と“上納システム”について証言。別の業者は、

「谷建会に会費として毎月3千円ほど納めていました。また、それとは別に数%を受注額から中抜きされていました」

 などと打ち明けた上で、こう続ける。

「谷川建設から仕事を1回受注するたびに、自民党に寄付する名目で、1万円を谷川建設の関連会社に手渡しで届ける決まりもありました。領収書は出る時と出ない時がありましたが、寄付をしない業者は仕事を干されていました」

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