サッカー日本代表、正念場のインドネシア戦が「地上波で放送されない」問題…仕事帰りに観戦できる意外な“穴場”も

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“英国風パブ”で試合観戦という選択肢も

 放映権料の高騰は世界的なトレンドだ。そのため、「日本代表戦を地上波テレビで観られない」問題を解決するのはなかなか難しい。とはいえ、そうした状況に一石を投じるような動きもある。

 スポーツをインターネット上の有料動画サイトやPPVで楽しむことは、日本でも徐々に浸透しつつあるが、それでも「課金はちょっと……」という方や「みんなで一緒に盛り上がりたい」という方は、“スポーツバーでの観戦”も選択肢の一つかもしれない。

 スポーツバーでの観戦については今までありそうでなかった、試合放送店舗を検索できる環境が整いつつある。J1リーグ・FC東京の親会社でもある(株)MIXIは、英国風パブ「HUB」を展開する(株)ハブや試合放映権を持つDAZNとの協業により、Jリーグの試合中継を中心にスポーツバーの検索サービス「Fansta」を2021年に開始。観たい試合の放映店舗をスマホから簡単に検索できるサービスとして展開を行っている。

 一方の英国風パブ「HUB」担当者は、今回のアジアカップを迎えての店舗での状況について、

「サッカー日本代表戦は、お店で流すさまざまなスポーツの中でもとりわけ人気が高く、大会への注目度も日に日に高まっているように感じます」と、語り、「コロナ禍ではアルコールが“悪”とされる風潮も根強く、数年に及ぶ苦しい経営を強いられましたが、昨年春の規制緩和以降、客足は徐々に回復しつつあります。昨年はようやく普段通りに営業することが出来るようになり、たくさんのお客様から“みんなで一緒にスポーツ観戦が出来る日を待っていました”というお声もいただいています。ぜひ皆さんと一緒にかつてのように盛り上がっていけたら」と今大会に期待を寄せる。

 特にベスト8入りを懸けた決勝トーナメント1回戦は、DAZNの独占配信になっており、さまざまな事情で観戦出来ないサポーターの来店を担当者も心待ちにしているという。

「“HUBに行けば試合が観られる”というお客様のご期待にしっかり応えていくことが、私たちにとって重要だと思っています。HUBでしか味わえないスポーツ観戦の醍醐味や一体感を味わってもらえたら嬉しいですし、ご来店されたことがない方にも、この機会にぜひ足を運んでいただけたらと思っています。注目度の高い大会を皆さんと一緒に盛り上げていきたいです」

 たしかに、ヨーロッパではスタジアムだけでなく、パブでのスポーツ観戦も伝統的に人気がある。今後、そうした“文化”が日本でも根づく可能性もあるだろう。

 Jリーグの開幕から30年以上の月日が流れ、目覚ましい速度で成長を遂げてきた日本サッカー界だが、ここにきてさまざまな転換期を迎えている。それぞれの事情はありつつも、一人でも多くの人々がサッカーの楽しさに触れ、次世代を担う選手たちに競技の魅力を伝えられるような施策を考えていく必要に迫られているのではないだろうか。サッカー日本代表のさらなる躍進は、サッカー界の未来を担う子ども達に懸かっているといっても過言ではない。

白鳥純一(しらとり・じゅんいち)
1983年東京都生まれ。スポーツとエンタメのジャンルを中心にインタビューやコラム記事の執筆を続けている。

デイリー新潮編集部

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