サッカー日本代表、正念場のインドネシア戦が「地上波で放送されない」問題…仕事帰りに観戦できる意外な“穴場”も

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今年2月から「月額4200円」に値上げ

 一方で、昨年のシリア戦と大きく異なるのは、DAZNに加入すれば大会の全試合を楽しめるという点だ。これは試合を楽しみにしているサッカーファンにとっては“朗報”と言っても良いだろう。

 2016年に日本でサービスを開始したDAZNは、Jリーグや海外サッカー、そしてプロ野球といったさまざまなスポーツコンテンツの配信を通じ、スポーツファンの生活に欠かせない存在に成長した。

 とはいえ、当初は月額1925円(税込)だった会費は高騰を続け、現在は3700円(税込)。今年2月14日からは、3年連続の値上げが敢行されて月額4200円(税込)に改定されるなど、懐へのダメージは小さくない。ましてや日頃サッカーに馴染みのない方々にとっては決して安くない出費であり、ライブ観戦そのものを諦めてしまう可能性も十分に考えられるだろう。現状を踏まえると、今後の更なる値上げによって試合観戦のハードルが一層高くなることも懸念される。

 今では多くの日本人選手が海を渡り、欧州のトップリーグでその活躍を見ることも珍しくなくなった。今年の元日にはタイ代表との国際親善試合が行われ、日本代表は5対0で勝利を収めたが、年末年始にクラブの公式戦が組まれていた久保建英(レアル・ソシエダ)や遠藤航(リヴァプール)は不在。新戦力の台頭や、主力不在でも危なげなく勝利する選手層の厚さを素直に讃えたいところだが……。それを手放しで喜べない状況が、日本サッカー協会には存在する。選手たちのレベルが向上する一方で懸念されるのが、日本サッカー界の空洞化だ。

コロナ禍で膨らんだ「日本サッカー協会」の赤字

 2022年3月に日本サッカー協会は、東京都文京区にあるJFAビルの売却を発表し、その売却額は100億以上と報道された。「赤字を埋める売却ではない」ことがしきりに言われていたが、慣れ親しんだオフィスを手放さざるを得なかった背景には、コロナ禍に端を発する赤字の影響があると言わざるを得ないだろう。

 日本サッカー協会が発表している2023年の「収支予算書内訳表」を見ると、経常収益は約200億円。収入の大部分は、スポンサー契約を結んだ企業からの協賛金やグッズのライセンス収入から構成される「事業関連収益」(約103.4億円)と、チケット代や放映権料などに該当する「代表関連事業収益」(約26.6億円)だ。

 一方で、コロナ禍の影響によりW杯アジア予選や国内での親善試合が開催出来なかった2020年の収入は、当初見込みから49億円少ない146.6億円で、約11億円の赤字を計上し、放映権とチケット収入に依存してきた状況が浮き彫りになった形だ。

 2023年度予算(2023年12月発表)では、JFAビル売却などにより過去最高の292億円の収支を記録し、約67億円の黒字を計上した。だが現状は、コロナ禍による赤字の穴埋めと、新たなビジネスモデルの構築も含めた事業の立て直しを図っている状況にあると言えそうだ。もはや世界の強豪国と互角以上の勝負を繰り広げられるようになった日本代表だが、選手の強化や底上げが進む一方で、地上波での試合放映の減少や主催試合におけるスター選手の不在といった状況は、やむを得ない部分はあるにせよ、ビジネスの主軸を担ってきた放映権料やチケット収入に影響を及ぼしかねない不安材料と言えるだろう。

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